愛子様と旧宮家の縁談は本当か?

イギリスのチャールズ新国王(3世)の戴冠式が5月6日に行われるが、日本からは秋篠宮皇嗣殿下と紀子さまが参列される方向のようだが、天皇皇后両陛下が参列されると思っていた人もいるようで、非難囂々である。

皇嗣殿下ご夫妻がなんで公務を分担するのがいけないのか、さっぱり分からないわけで、娘が皇室の縁を絶ち一時金ももらわないというけじめをつけて結婚したら、駄目男だというだけで犯罪人でもなんでもないのに、親が皇族失格といわれなければならないか、国際的にも恥ずかしいと思う。

また、あいかわらず、秋篠宮家たたきには目に余るものがあり、それが次代の天皇である、16歳の悠仁様に対する人権問題レベルまで及んでいうのは非常識である。

そのあたりについて、最近、『「愛子さまのお相手報道」はあまりに無責任…”旧皇族男性とのご結婚”の実現可能性を検証する』『「将来の天皇」悠仁さまも秋篠宮ご夫妻に同行したほうがいい…英国王戴冠式をめぐる「皇室外交」の最適解とは』といった記事を書いたり、AERAドットコムの記事で私の発言が『「悠仁さまも愛子さまも、早いうちに海外王室との親善の機会を」 昭和天皇も上皇さまも見た“19歳の世界”〈dot.〉』という記事で詳しく紹介されているが、レベルの高いアゴラの読者のために、順次、それらの記事よりは、少し突っ込んだ話を紹介しておこうとおもう。

また、皇位継承問題については、それなりに高い関心をもっている人向きの講演を明日の午後、東京都文京区でする予定なので、末尾に案内を掲げておく。予約は不要です。

本日は、愛子様と旧宮家賀陽氏の「縁談」についてである。

両陛下と愛子様 宮内庁

愛子様の結婚相手として11ある旧宮家のひとつである旧皇族賀陽家のことが話題になって、「new ポストセブン」「デイリー新潮」「週刊女性プライム」「女性自身」などが報じている。

賀陽兄弟と内親王様の可能性については、実のところ、私が言い出した話と云ってもいい。私が最初にこの兄弟に着目したのは、小泉内閣の皇室典範改正論議のときだ。

当時、篠沢秀夫さん(学習院大学教授・仏文学者)が、盛んに眞子様、佳子様、愛子様と旧皇族男子を結婚させたら良いという提案をして話題になっていた。

それについて、私は強く批判していた。つまり、旧宮家のほとんどは、内親王方と近い血縁関係にあるし、皇室は遺伝学者だった昭和天皇を筆頭に、近親結婚には否定的なので可能性は低いと反論していた。

皇室では、近親結婚の弊害にはかなり神経質でおられ、大正天皇から今上陛下に至るまでのお妃選びでも、血統的に近い女性は避けられてきた。だから、上皇陛下のときは、北白川肇子さんという過去の例からすれば絶対本命がいて、マスコミもこれで決まりといわんばかりだったが、話が真剣にされた形跡はないし、今上陛下のときの久邇晃子さんも同様だった。

従兄弟ならいいというのにそんなことあるまいと思う人もいるが、皇室の場合は千年以上もそうした縁組みを繰り返したわけで、その弊害も、たとえば、出生率の低さなどのかたちで出ているから、神経質なのである。

そういう観点からすると、11宮家のうち北白川、朝香、竹田、東久邇は明治天皇の子孫である。また、東久邇家はさらに昭和天皇の子孫である。そして、久邇家は香淳皇后の実家であるから、縁組みの可能性は小さい。

となると、ほかの宮家で、眞子・佳子・愛子さまと適齢の男の子がいるのは賀陽家だけであるから、旧宮家男子がたくさんおられるから、そのなかには、相手として好都合なひともいるだろうというわけにはいかず、愛子様たちに、それを望むのは、選択の自由すら否定する議論となるから、やめたほうがいいと私はそのころいっていた。

この趣旨は、その後も、ここ10数年、さまざまな人と議論して、だいたい賛同を得てきた。

いま、話題となっているのは、天皇陛下の学習院時代の学友で、宮内庁に勤務していたこともある、賀陽正憲氏の二人の息子である。長男は、愛子さまより四歳、次男は二歳年上である。 長男は学習院高等部から早稲田大学政経学部、次男は同じく工学部に進んでいる。

文藝春秋に連載中のNHK岩田明子さんの手記に、安倍元首相が愛子さまと旧皇族男子との縁談をまとめたいといっていたという記述がある。安倍氏の念頭にあったのが賀陽兄弟であるのは間違いないが、具体的に動きがあったとは理解していない。週刊誌も実際に会ったとは書いておらず、親同士は同級生だから会うこともあろうとか、家族ぐるみもあるかもとか云っているだけだ。

そういう好都合な男性がいることを報道するのはかまわないが、確実なニュースソースもないのに印象操作で書くのはいかがなものかと思う。

講演会のご案内】3月21日13時30分から文京区民センター2階2A 参加費1000円(学生無料)。予約は不要です 春日駅・後楽園駅です。

那須御用邸にて夏の静養をされる両陛下と愛子様
Wikipediaより