外国人訪日客の増加で、相手にされなくなる日本人

今年に入ってから、訪日観光客の数が急激に増えています。街中を歩いていても、外国人の姿を見ることが多くなりました。

私が東京都内で運営している民泊施設(写真)も、外国人の予約比率が高まってきています。

民泊施設で悩ましいのは、外国人よりも日本人宿泊客のマナーの悪さです。すべての日本人のマナーが悪いとステレオタイプな分類をするつもりはありません。しかし、室内に設置してあるソファーが破壊されたり、申告している人数を大幅にオーバーする利用を行ったりと、常軌を逸した利用者が多いのが現実です。

おそらく、パーティー利用で、宿泊よりも宴会を目的に利用しているケースが多いと推測しています。飲食店よりも隔離されたプライベートな空間で、お酒の勢いで羽目を外してしまうパターンです。

宿泊施設の稼働率が高まってきたこともあり、宿泊施設の最低宿泊日数を今までの1日から2日以上とすることに変更しました。

これによって、パーティー利用を目的に予約している人たちは、排除されることになります。宴会利用の翌日は清掃作業が通常の宿泊より大変になるようですが、その負担が軽減され、メンテナンスが楽になるメリットがあります。

また、短期で旅行をする日本人も利用できないことになります。日本人旅行者の多くは、土日祝日前の一泊だけで滞在することが多く、平日の予約が空いてしまう問題がありました。長期滞在の外国人旅行者をターゲットにすることで、施設運営者側には、稼働に無駄がなくなるメリットが出てきます。

そして、短期で宿泊者が頻繁に入れ替わるよりも、少ない顧客が長期で滞在してくれる方がやりとりも少なく、客室運営が効率的になります。

来日外国人が増えて、長期滞在の外国人が増えれば増えるほど、短期滞在の日本人が利用できなくなっていく。

民泊施設では、このような傾向がますます強まっていくのではないかと予想します。

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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年3月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。