私ひえしまは、世田谷区議会予算特別委員会の文教領域質疑で、区立小中学校の「黙食」について取り上げた。
すでに、昨年11月の一般質問で、私は「黙食」の見直しを行うよう世田谷区に強く迫った。これを受けて、教育委員会が見直しの通知を各学校に発出していたが、その後どうなったのかということだ。
世田谷区教育委員会は、3月に入り実態調査を行っており、その結果を明らかにするよう質した。答弁によると、全90校のうち「通常の会話を認めている」のは48校、「原則、黙食を継続している」のは42校だった。「継続している」と回答した学校のうち、5校は3月中、22校は4月、8校は新型コロナが感染症法上の5類に引き下げられる5月8日からの緩和を検討しているという。
未だに半数の学校が黙食を継続中なのだ。このことは、21日付の読売新聞が報道した。
議会で取り上げてから、4ヵ月が経とうとしているが、この体たらくである。先日、中学校の卒業式に出席した。言うまでもなく、彼ら彼女らの3年間は、丸ごとコロナ禍での生活だった。多くの制約の中で、工夫しながら勉強やスポーツに打ち込み、行事などは延期や中止を余儀なくされたが、懸命に思い出を紡いでいったことに胸が熱くなった。私が修学旅行の一斉中止を撤回させたことが、その貴重な1ページになっていることは、議員冥利に尽きるというものだ。
それはそうとしても、とかく教育委員会や学校という所は保守的である。それ自体、必ずしも悪いことではないだろうが、校長や教員ではなく、真っ先に児童生徒の声を聴くべきなのである。黙食やマスク着用について、どれだけ子どもたちの意を汲んでいるか。保坂区長はじめ世田谷区は、よくよく省みるべきである。