ダルビッシュ有選手を国会に送ろう!

中村 祐輔

WBCでの大谷選手の活躍は日本の誇りだった。しかし、私が最も感銘を受けたのはダルビッシュ有選手の姿だ。国内キャンプ当初から参加して、若い選手をまとめ上げたのは、ダルビッシュ選手であることはみんなが認めるところだ。惜しげなく自分の技術を若い選手たちに伝授し、日本のために、日本の野球の将来のために貢献した。

野球をする少年人口が減ってきたことに対する危機感の反映が、大谷選手の行動であり、ダルビッシュ選手の姿勢だったと思う。サッカーのW杯にも惹きつけられたが、世界一になった野球には、私には特別な思いがある。長嶋茂雄というスーパースターと彼にチャレンジする国鉄の金田正一、阪神の村山実、そして、中日の星野仙一と男のロマンがあった。

今回は「日本」という国の威信を示したWBCの勝利は、戦後必死で働き続けて今や高齢者となったわれわれの世代にとっては、ダルビッシュ選手や大谷選手のストイックな姿が、日本のために患者さんにためにと仕事に没頭してきた我々の世代の姿と重なるのだ。

衆議院選挙に小選挙区制度が導入されてから、日本のためにと考える政治家が少なくなってきたように思う。執行部に嫌われると公認がもらえために、言いたいことも言わず、選挙で当選することを最優先する。官僚は出世のために、官邸に気に入られる態度に終始する。本当にこれでいいのか日本だ。

意味のない薄っぺらい言葉を語る政治家ではなく、日本の将来のための信念・理念のもとに語る政治家がもっと増えて欲しいと願う。ダルビッシュ選手は長期契約を結んだが、いずれ日本に戻ってきて、国の将来を語る政治家になって欲しい。

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編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2023年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。