統一地方選挙の総括:野党第一勢力は立憲から維新へ移行

維新が大躍進。和歌山補選の勝利、奈良知事選挙など大阪以外でも基盤をつくる。もしかすると、野党第一勢力が立憲民主から維新に交替する流れを決定づけたのかもしれない。

対立軸は、保守・革新(リベラル)から守旧と改革へとなる必然かも(「日本の政治「解体新書」: 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱」(小学館新書)で詳しく解説した)だが、この状況で、有望な新人は立憲より維新を選ばなければ馬鹿だ。

大阪で府知事、大阪市長を確保したのみならず、市議会でも単独過半数。これで公明党の協力が不必要になったので、衆議院選挙で公明党公認候補に対抗馬を出せる態勢になった。といっても、すぐにすべての選挙区で対抗馬は出さないと思うが(たとえば新しく公明党が出るところだけなど一部だけとか)、公明党もそれなりの条件を出すなど考えねばなるまい。

大分の参議院補選は日本の選挙史上に残る劇的戦い。一万票で自民・白坂が勝っていたのが、大分市内で逆転して1500票立憲・吉田がトップ。しかし、中津市の残票で341票差で白坂逆転。

自民は千葉五区でウイグル系の英利アルフィアとか大分で銀座のクラブママの白坂とか、ダイバーシティ目当てのキワモノ候補を出して危ない目に。作戦に疑問を感じるが、結果オーライで、自民党から有望な女性が出やすくなるだろう。

現職・世襲はあいかわらず強いが、変化の兆しも。山口の岸信千代の薄氷を踏む勝利は象徴的。もっとも強いのは、若くてイケメンみせかけの改革姿勢。芦屋で現職の女性市長を26歳、ハーバード出身が破る。世田谷の29歳財務官僚も善戦。

共産は党員除名問題、立憲はコニタンで自滅。コニタンなければ、大分と千葉で勝てた。

岸田政権は悪運の強さを見せたので総選挙へ向けて死角なくなる。

なり手のなさや無投票の多さは、民主主義の危機。現実的に首長、議員を魅力的にすべきだ。