日本のネットメディアではあまり報道されていませんが、コロナワクチン接種後の耳鳴りは意外と多いのかもしれません。ナショナルジオグラフィックによると、アメリカでは接種後の耳鳴りの報告数は1万6千件を超えたと報道されています。
そこで日本での報告例を調べてみました。厚労省が公開している疑い症例一覧よりデータを取得しグラフを作成してみました。なお、重複例は削除してあります。
全部で100件報告されています。接種後1日以内の報告の割合は71%でした。アメリカの報告では43%ですので、更に高い割合です。また、日本の報告数はアメリカのそれより遥かに少ないため、多数の未報告例が存在している可能性があります。
審議会による認定は、α評価が3件、救済認定が3件です。α評価が3件認定されていることは少々意外でした。
高齢層ではなく、若年層~中年層に多く発症しています。
急性で一過性の耳鳴りであれば大きな問題ではありません。しかし、慢性化して日常生活に支障をきたす場合があるようなのです。前述のアメリカのレポートより引用です。
ポーランド氏(67)は、新型コロナの感染はまだ大きなリスクだと考え、2回目の接種で耳鳴りがするようになったにもかかわらず、3回目の接種を受けることにした。当初、耳鳴りは小さくなったものの、やがてさらに高い音で聞こえるようになった。その夜、屋外で座って星を見つめながら、「もう二度と静かな世界は戻ってこないのだと気づいて、涙がこぼれました」と氏は振り返る。「耳鳴りは人に甚大な影響を及ぼします」
日本において慢性化した症例がどれくらい存在しているかは不明です。耳鳴りは命に関わる病気ではないため軽視されがちですが、発症した本人にとっては人生を左右する重大な問題です。日本においても検証が必要です。
このアメリカのレポートでは、次のような重要な点も指摘しています。
ポーランド氏は、自身の場合も含め、耳鳴りの症例の深刻さに衝撃を受けている。氏をはじめ、世界中の多くの人たちにとって、耳鳴りは「世界を変えてしまった、決して終わることのない結果」となった。だからこそ、CDCがより徹底した調査を計画していないことに、氏はいらだちを覚えている。「CDCは心筋炎のときと同じように、この件についても深く掘り下げる必要があります。人々が苦しんでいるのですから」
CDCは心筋炎については深く掘り下げましたが、他の疾患についても同様に掘り下げるべきではないかという疑問です。これは疑問ですが、疑惑でもあると、私は考えています。意図的に掘り下げていないのではないか、あるいは掘り下げた結果を意図的に公表していないのではないかという疑惑です。
この問題は拙稿でも指摘しました。具体的には、リスク期間を接種後0~7日に設定してSCRI法で解析すれば、有意差が認められる疾患が心筋炎以外にも多数存在している可能性があるのではないかということです。海外においても私と同様の疑問を持っている人が存在していることが分かり、少し嬉しくなりました。CDCの隠蔽疑惑を追究する人が増えることが期待されます。