煙害被害と大気汚染測定の機器について
前稿では、身近な大気汚染を自身で測定し数値化・可視化することの意義について述べたが、本稿では実際に測定を行うために必要な機器を3例紹介する。
各種燃焼行為による身近な大気汚染に悩まされる個人が、生活環境における局地的な大気汚染を自身で測定し、受けている被害の数値化・可視化に役立てられることを望む。
法規制が無い状況下で煤煙を発する「加害者側」に有利な状況は、圧倒的に被害者にとって一方的に不利であり、本来は訴えを受けた原因発生者側に無害安全であることの証明を義務付けるべきと実は筆者も個人的には考えている。
これは「予防原則」又は「ウイングスプレッド宣言」とも呼称されている考え方で、欧州では徐々に一般化しつつあるが日本では殆ど聞かれないのは残念である。
多くの煙害被害者が理不尽と心身に負担と感じているのは、「原則として被害者が被害を証明する必要が有る。」ということであるが、あくまで(道義的な良し悪しは別として)現在合法である製品の製造販売や使用の権利を制限するためには、やはり理不尽と怒りの壁を越えて被害者側が被害を立証すべき、というのがやむを得ない現状である。
しかし、実際に自身で測定することは、今の被害状況を自身で把握することでもあり、その測定値の記録を蓄積しておくことは、例えば訴訟・公的機関・議員等への意見具申に際して少なくとも絶対にマイナス材料にはならない。
被害者自身による煙害の測定立証という手法は日本では一般的ではないが、欧米諸国では研究者のアドバイスを受け個人や組織により一般的に行われ、市民科学者による測定局は日々増加していることを付け加えておく。詳細は別途稿を改めて紹介したい。
また、前稿に関して珍奇なコメントを頂いているのでお答えをしておく。
「お前の出すCO2を計ってみろ」との嘲笑的なコメントであったが、CO2は残念ながら科学的には「有害大気汚染物質としての測定対象」とはされていないのはご存じなのだろうか。それに倣い筆者の一連の投稿でもCO2は有害物質として扱わない。
但し、筆者の運用する複数の測定局のうちの1台には参考値として興味本位でoptionのCO2sensor(送料込US$169.00)をinstallしてあるので、測定値自体は採れている。
ご希望であれば5分間隔測定値のCSVファイル提供は可能であり、必要に応じて温暖化研究に役立てられたいと思う。
前置きが逸れて長くなるのでここまでにして本題に入ろう。
市民科学者が空気質測定機器を設置する
空気質測定機器は多種あり、主に家庭で使用されているものはハンディタイプが殆どであろう。中には連続測定値を記録できる機器も有るが、風雨の曝露下でも屋外に定置して測定を継続するには適さず、その場限りで時系列の測定値をとれない機種も多種有るが、それでも専門知識も不要で簡単に使用でき安価であり、実際に使用されている方も多いと思う。
筆者は地域の家屋の薪ストーブからの排煙による周辺への汚染状況記録に供する目的で、これらのハンディタイプではその都度、苛立ちながら起動を待ち(筆者の所有機はsensorのstartupに3分掛かる)表示画面を撮影するなど不便で現実的ではないと判断、屋外に定置し何の操作をせずとも連続自動測定し、測定値も自動記録される機器を探していた。
日本国内では業務用の高価な測定機器・分析機器が豊富に存在するが、非常に高価であり購入のハードルが高い上に運用に専門知識が必要な機器も多い。
参考までに当初は以下のような業務用の測定機器を検討していたが、果たして一般個人に販売して頂けるのだろうか。
筆者の探索が浅いのかもしれないが、知識の無い一般庶民が簡単に運用でき、記録可能で屋外設置に耐え、安価な空気質測定機器は日本では見つけることが出来ず、海外の状況を調べた。
筆者のTwitterの公開listの海外メンバの導入運用実績から3種を検討することにし、結果としてスイスの企業 IQAir社の測定機器を導入した。
3種共、測定値を運営サーバーに送信しその情報を共有、自身で確認するほか、全世界に向けてこれを公開発信することが可能である。
比較検討に供した3種の海外製空気質測定機器について解説しよう。
● IQAir(スイス連邦)
スイスとドイツに本拠を置く企業である。空気質に関するソリューションを製造販売しており、室内外双方に各々設置する空気質測定機器も製造販売、各国行政機関設置の測定局からの測定値と合わせ、全世界の協力者(個人/市民科学者・貢献者と呼称される)からの測定値は全世界のユーザーや国連環境計画と共有されている。
また、後述のPurpleAirとも協力関係にあり、PurpleAir測定局の情報を見ることが可能である。
【屋内用】
「エアビジュアル プロ」(US$399.00)
【屋外用】
「エアビジュアル アウトドア」(US$399.00)
筆者が導入した機器は屋外用「エアビジュアル アウトドア」(US$399.00)である。
なお、昨年購入時点での価格はUS$289.00で、現在は一気にUS$100以上も値上げされている。価格面で敷居が高くなってしまい非常に残念ではあるが、海外の行政機関も採用している機器であり、信頼性を求めるなら導入の価値が有ると思うので、検討候補に入れることをお奨めしたい。
測定可能な項目は以下である。
PM1
PM2.5
PM10
CO2(optionsensorが別途必要)
温度
湿度
気圧(屋外用「エアビジュアル アウトドア」のみ)
※ 自動測定間隔は5分
※ 搭載されるsensorは不明
※ Automatic calibration
本機器はPoE電源駆動であり、屋内設置のPoE電源から屋外にPoEケーブル(耐UV耐候性)を引き出す必要が有る。又は屋外商用電源を使用し、防水箱にPoE電源を収納し測定機器に給電する。PoE電源とPoEケーブルは添付されているので別途購入品は不要である。
パッケージには、測定機器、PoE電源と長短2種のケーブル、開閉用レンチ、取扱説明書などが入っている。
測定機器本体は耐候性樹脂の防水構造であるが、下部の測定用空気取り入れ口に直接水滴が吹き込む状態は望ましくないので、屋外であっても屋根が有り、直射日光が当たりにくく風雨が吹き込みにくい位置に設置したほうが良い。
通信は2.4GHz帯WiFiまたは有線Ethernetを使用するが、SIMカードを用意の上でoptionのUSBモデムスティック(3G/4G/LTE)での通信も可能である。
底部から。sensorのスロットが4箇所有り、白いマークはPMsensor(2個同じもの)がinstallされている。
青いマークはCO2sensorである。
残り1箇所は空きでoptionのsensorをinstall可能。右端はUSBモデムスティック用。
防虫網付きの底蓋。左に小さく見えるのが温度/湿度/気圧sensorである。
中央にPoEケーブルを接続する。
Installationや測定値の確認は、屋内用「エアビジュアル プロ」又はスマートフォン用アプリケーションとのペアリング設定の上で行う。本来は屋内用と屋外用をペアリングするのが推奨のようだが、屋外測定だけで良いならばスマートフォン使用で実用上支障は無い。
ペアリングが完了した段階で、この測定機器を同社IQAirのサイトに登録(必須ではない)しておく。
ユーザー登録を行い、自分の測定局の地図上の表示位置を指定(プライバシー上、任意の位置に変更すべきと筆者推奨)し、公開を指定すると世界中に自局の測定値が公開される見返り(貢献者とされる)として、自局の過去の測定値をCSVファイルでダウンロードし、スプレッドシートで分析をすることが可能になる。
本機を使用して行った長期間連続自動測定の実際については、稿を改めることにしたい。
1日ぶんの各測定値推移をグラフ化した例。測定値を視覚化することは極めて有効である。
先述した通り5分間隔で自動測定された各値が記録(スマートフォンアプリケーションでの表示は最小単位が1時間平均値まで)されているので、過去の測定値を詳細分析したいならユーザー登録を行い、自局を公開すべきと思われる。
また、先述の通り測定記録は国連環境計画にも共有され研究に供されるものであり、1台増えるごとに微力な貢献者の一翼を担うことにもなる。
公的機関による空気質測定局の不足を補い、市民科学者が低価格のセンサーで測定網の充実に寄与する。
筆者は民間測定網を日本でも充実させたいと考えるが、価格面と先述の「理不尽感情」という面で難しいだろうとは思う。
さて、筆者は2022年11月より先行評価機として試験運用し、12月から本運用として複数機器を地域の複数個所に設置測定しそのうち1台を公開局として運用しているが、何れも機器原因による不具合は発生していない。
スマートフォン用アプリケーション上では不定期に欠測が発生するが、原因は不明も1時間以内に復帰していること、測定値のCSVファイルをダウンロードし確認、実際には欠測していないことが確認できているので実用上の問題は無い。
WiFi通信不能時のローカルデータストレージは保持2年との記載が有るが、何GBの不揮発性メモリーを搭載しているのかは未確認。もし通信不能が頻発する場合は有線Ethernet直結のほうが良いだろう。
マニュアルは当然に英語だが、中学生レベルの英語力で読解可能であり、操作するスイッチは1箇所しか無く、筆者も簡単にsettingできた。
クレジットカードによるオンライン注文後、何故か香港発で4日で到着した。ところがoptionのCO2sensorを注文したところ、スイス発、ドイツ、フランス、中国経由で3週間掛かった。
なお、本機器、屋外用「エアビジュアル アウトドア」のinstallationについては、芝山ちとせ氏(@dystopianxjapan)のTwitterまで問い合わせられたい。
● PurpleAir(アメリカ合衆国)
米国ユタ州に本拠を置く企業である。室内外双方の空気質を測定する安価な機器を販売しており、米国や欧州を中心に多くの民間科学者がこれらの機器を設置している。
メインターゲットを北米とする同社の測定機器の設置台数が米国内で多い背景として、AirNow.govによる測定局の圧倒的不足からくる不満が大いに有りそうだ。
最近の活用例として、アイルランドのコーク市域で、 低コスト空気質センサーPurpleAirを市内に16個設置し、地域全体の空気質を1年間モニタリングした。 高価な機器に依らず測定された結果の発表により、煤煙と季節との相関が明らかになった。 冬季夜間の固形燃料燃焼暖房器具が大気汚染を悪化させていることが明確に示された興味深い研究に、この機器が使用された。
現状、同社の屋外用空気質測定機器は安価で多数の実績も有り、日本国内でも既に数か所の設置稼働が見られ、最もお奨めの測定機器と筆者は思う。
煙害被害の継続的な測定値を取得し数値化・可視化を目する被害者には是非お奨めしておきたい。
測定機器は4種用意されているが、電源はすべて別売であることに注意。
特徴として、屋内用モニターのデザインがファッショナブルな点が挙げられる。また、電源機器や交換用sensorも別売されている。
【屋外用】
「パープルエアクラシック空気質モニター」(US$229.00)
「パープルエアフレックス空気質モニター」(US$269.00)
【屋内用】
「パープルエアータッチ室内空気質モニター」(US$199.00)
「パープルエアー禅空気質モニター」(US$299.00)
測定可能な項目は以下である。
PM0.3
PM0.5
PM1.0
PM5.0
PM10
温度
湿度
気圧
※ 自動測定間隔は2分
※ 「パープルエアクラシック空気質モニター」以外の3種はVOCとCOの測定が可能なBME688sensorを搭載。
※ ユーザーインターフェイス上でそれらの確認が可能かは不明だが、VOCとCOの測定値が出力可能になれば用途は広がると思われる。
本機器群は全てUSB電源駆動であり、屋外設置機器の場合はUSB電源から屋外にUSBケーブル(耐UV耐候性の有るものを使用すべき)を引き出す必要が有る。又は屋外商用電源を使用し、防水箱にUSB電源を収納し測定機器に給電する。
通信は2.4GHz帯WiFiを使用するが、optionとして通信不能な場所に設置する場合の測定値回収やWiFi通信障害に備え、64GBのmicroSDカードを使用し測定値の喪失を防ぐ仕組みも用意されている。
屋外用測定機器本体は耐候性樹脂であるが円筒形で筐体が小さめ、下部が完全開放であり虫も侵入する簡易な構造。
防護網も何も無いセンサーモジュールが剥き出しであり、設置位置には相当の注意を払う必要が有る。
先述のIQAir機器より一層防雨防風と直射日光対策が必要とは思われるが、同社では防護網や囲いの設置は測定値に影響が出るとして推奨していない。
一応精密電子機器であり、筆者としてはバケツ状の容器を反転して吊るし固定し、その中に本機器を吊り下げたほうが良いとは思う。
Installationや測定値の確認は、スマートフォンで行う。又、先述のIQAirのサイトからも確認することができるが、逆にIQAir機器による測定局は、こちらのPurpleAirサイトからは確認できない点に注意。
また、公的機関の設置による測定局もPurpleAirサイトからは確認できないことも付け加えておくが、他のサービスを併用すれば済むことなので、PurpleAirの使用自体が不便ということでは無い。
ユーザー登録はGoogleアカウントを使用する。スタートアップはWiFi接続しペアリングしたスマートフォン上から行う。
測定局の公開/非公開の選択及び公開時の地図上での表示位置の設定(プライバシー上、任意の位置に変更すべきと筆者推奨)を行うことで使用可能となる。詳細はFAQを参照されたい。
なお、PurpleAirの各機器のカスタマイズやsensor交換でVOCとCOの測定値が出力可能であれば、一部の大気汚染被害者の要求に適合すると思われるので、直接問い合わされたい。(もちろん英語で)
● 世界の大気汚染:リアルタイム空気質指数(中華人民共和国)
中華人民共和国に本部が存在する大気汚染監視ネットワークであり、大気汚染の検索で上位に出てくるようで、日本でもサイトの利用者がかなり多いようである。
測定機器は業務用クラスのものも取り扱っている他、空気清浄機、マスク、測定センサーモジュール部品などのソリューションを取り扱っている。
中国の関係先なので恐る恐るだが、空気質への理解増進のため、筆者も勇気を出してサイトにアクセスして概略を調べてみた。
測定機器は1種用意されている。
大気質モニター「ガイア A12」(購入でUS$200.00)
珍しい料金体系を採っており、年間US$100.00+初回にデポジットUS$50.00とのレンタルシステムが有り、こちらのコースでは送料負担で2年毎に新しい「大気質モニター」に交換可能。
sensorの寿命が不明なので、買取でUS$200.00を払うか、毎年US$100.00で2年毎に送料を持って更新をするか、筆者はどちらが良いか判断できない。
本機器の最大の特徴であり長所は、その筐体が大きく堅牢で風雨に強そうであることで、選択肢としては充分に検討に値すると思われる。
また、現在開発中と言う「ガイアA18」はバッテリーとoptionのソーラーパネルを使用し、オフグリッドで測定を継続可能としている。電源の取れない位置でもWiFiが通じれば測定可能となり、屋外における空気質測定の幅が広がると思われ、発売開始が待たれる。
測定可能な項目は以下である。
PM1
PM2.5
PM10
温度
湿度
※ 自動測定間隔は1分
※ PMsensorが3基装備されている。
※ 気圧は測定せず。
本機器もUSB電源駆動であり、屋内のUSB電源から屋外にUSBケーブル(耐UV耐候性の有るものを使用すべき)を引き出す必要が有る。又は屋外商用電源を使用し、防水箱にUSB電源を収納し測定機器に給電する。
Installationや測定値の確認には2.4GHz帯WiFiを使用する。
先述のIQAirやPurpleAir機器よりも防雨防風と直射日光対策は必要無さそうな筐体であるので、そこまで気を遣わずに設置可能と思われる。
なお、本機器でも地図上での表示位置はプライバシーに配慮し、任意の位置に変更可能であるので、安心して使用できると思われる。
大気汚染に興味を持たれた方、本機器をぜひ試用してレポートを頂きたい。
大気汚染を叫ぶなら空気質の測定は必要
昨今、大気汚染を叫ぶ一般個人が増加していることは、SNSを見ていれば簡単に把握できると思う。それに気が付かない人も多いではあろうが、空気質を悪化させる要因は実は廃棄物焼却や薪ストーブのように住環境内にこそ増加している。
しかし、ただ不満を連ねてあまり上等ではない言葉を使って叫んでいても何も変わらない。
もし自分が大気汚染の害を受けている被害者だと主張するなら、その被害の実情を誰かに正確に伝えなくては賛意を持ってもらえない。どんなに怒号を発しても伝わなないどころか根拠を示せと罵倒され、モンスタークレーマー扱いされるだけだろう。
事情を知らぬ他人に対し、何らかの自身の被害状況を伝えるときに必要なのは、具体的・数値化・可視化した証拠である。
また、これらの問題に詳しい専門家や、市民科学者といえるレベルの人物の支援を得ることも大変有用である。
筆者が一連の投稿で取り扱ってきた、
「住宅地での薪ストーブによる煙害」
「廃棄物の無配慮な焼却による煙害」
これらは原因物質が煙という微粒子や気体成分であり、日本人は特に煙には寛容な点がある事も併せ、それはあくまで個人差や受忍限度の問題とされ「くさい、煙い」と主張してもその度合いが他人に伝わりにくく理解されぬことが多く、悔しい思いをされている被害者が圧倒的に多いと思う。
測定すること=知ること。
このグラフではUS-AQIや各粒径のPM測定値と、測定値に影響を与える湿度を示す。
近隣家屋の薪ストーブの使用パターンが読み取れる。
異臭騒ぎの事例でもお判りの通り、原因となっている煤煙や気体を一般の個人がその場でエアーサンプラー等を使用し証拠として保存し調査することはかなり困難(実際には不可能)であり、これらの煙害、局地的な大気汚染を証明する恐らく唯一の手段は、「待ち構え型で空気質の連続自動測定で記録を残す」しか無いと筆者は思う。
但し、測定機器は安価とは言えるものではなく、皆がこれを購入し測定することはできないのも事実である。価格としてはスマートフォン同等であるが、そのために出費をして購入し設置しようということを強制はできない。あくまで個人の問題意識レベルと「理不尽と怒りの壁」を超えることができるか、という問題ではあろう。
●オランダでのムーブメント
オランダ王国では、隣家の薪ストーブの煤煙を連続測定し行政府に対して訴訟を起こし、行政府に「薪ストーブは大気汚染を起こし、有害性が有る。」と言わしめる判決が出た。
オランダで隣人の薪ストーブの煙害を被っている被害者自身が行動を起こした。行政府は苦情を軽く扱い、煤煙の測定を怠った。
Als de gemeente je laat stikken: Dieter won zaak om houtstook dankzij fijnstofmeter
彼は空気質測定機器を起動し、連続で測定を始め、隣人の薪ストーブが発する煤煙が付近の大気を著しく汚染している証拠を手に裁判に臨み、遂に行政府が「薪ストーブは有害である」と認めたものである。
全ては彼自身、被害者自身が理不尽と怒りの壁を越えて自ら測定機器を用意し冷静に、科学的に住環境汚染の証拠を採ろうと決意した勇気からであった。
この出来事を材料に、オランダでは薪ストーブの規制への機運がますます盛り上がっているという。
彼は言う。「測定すること=知ること」
自身の受けている害を数値化・可視化することの重要性を彼は筆者に教えてくれた。
筆者が大金をはたいて機器を購入し空気質測定を決意したのも、彼の勇敢で冷静な科学的行動からである。
<最後に2点付け加えておきたい>
1:Wood Smoke Is Pollutionサイトに、筆者の経験を投稿。
拙い英語であるが、投稿させていただいた。
2:薪ストーブによる煤。
これは、洗車後、数日間乗らず駐車状態の自動車を拭いたペーパータオル。
1週間もしないうちにこれほど汚れる。煤を近隣に撒き散らし、隣人たちに煤を吸わせている証拠。
夏季はこのような酷い汚れは付着しない。
編集部より:この記事は青山翠氏のブログ「湘南に、きれいな青空を返して!」2023年4月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「湘南に、きれいな青空を返して!」をご覧ください。