「明細書」を出すミシュラン三つ星和食店

昨年東京にあるミシュラン三つ星のレストラン12店舗を全店制覇しました。多くの店が港区などの東京の中心部にあります。その中で唯一、山手線の外にある和食店があります。最寄り駅から歩いて10分ほどかかる住宅地にあるお店です。

昨年初めて訪問して以来、とても気に入ってリピートしています。今週も出かける機会がありました。

お料理は相変わらず素晴らしいものでした。何より親方を始めとするスタッフの心からのホスピタリティーが最高のお店です。

そして、他のミシュラン三つ星レストランとの大きな違いは、会計時に領収書と合わせて明細書を出してくれることです。

多くの高級和食店は、会計時に小さな紙に数字だけ書いた金額を見せられ、黙って支払いをするというのが暗黙の了解になっています。そこで「明細を見せてください」などと、聞いたりするのは野暮なことなのです。

しかし、お店のスタッフを計算間違いをすることもあるでしょう。

あるいは、いくつかのお店はきちんと計算をしていると言うより、どんぶり勘定で感覚的に請求金額を決めているようにさえ感じます。

もちろんどんぶり勘定で明細を明示しなくても、「価値>価格」を感じることができれば、それで充分満足ではあります。

しかし、お料理の金額、そしてそれぞれのお酒の金額まできちんと明示。トータルの支払い金額が計算された明細書まで出してくれる。そこに顧客に対する誠実な姿勢がにじみ出ているように感じました。

しかも、こちらのお店のお会計の金額は、場所柄もあってか他のミシュラン三つ星和食店の約半額。

この素晴らしいミシュラン三つ星店の唯一の難点は、予約が取りにくいこと。次回の予約は来年の2月。また1年後に訪問するのが、今から楽しみです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年4月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。