日本の第3の自己変革のとき

日本は自己の生存のため何度か自己変革をしてきた。663年の白村江の戦いで唐・新羅連合軍に大敗した後、律令制と防人を置き、中央集権化と国防に取り組んだ。第二は、1868年の明治維新であり、植民地化の波に対抗すべく、鎖国政策を大転換して開国、近代化を進めた。

そして、今、日本は「第三の自己変革」をすべき時にきている。ロシアによるウクライナ侵略と米中対立は世界を危機の時代と変化させた。中国は台湾統一の野望を隠さず、北朝鮮は核ミサイル開発を加速。中ロ北朝鮮の連携の可能性もある。米中のパワーバランスは拮抗に向かっている。

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今こそ、戦後の米国依存の消極的安全保障政策を抜本的に転換し、新たに「自分の国は自分で守る」ため、外交・安全保障政策を見直さなければならない。昨年の国家安保戦略はその第一歩だ。

日本自身の防衛力を抜本的に強化するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」のアジェンダを深化させ、同盟国・同士国のネットワークを拡充するとともに、「グローバルサウス」の国々に対する創造的な外交が必要となる。

クワッドや欧州主要国、東南アジア諸国、太平洋島しょ国との間で、防衛協力や海洋協力や装備移転など、より具体的な協力を実施していく。特に、日、台、豪、比、インドネシア、韓国という第一列島戦上国間の海上保安協力を深化させることを提案したい。また、日韓関係正常化は日韓、日米韓の安保連携を進める上で重要だ。

そして、中国とは、難しい課題があるからこそ、互いのレッドラインを明確に認識し、不要な紛争を避けるため、首脳や外相といったハイレベルのコミュニケーション、そして軍当局間の意思疎通を行うべきだ。

最後に、憲法改正が必要だ。特に、日本国憲法前文の「諸国民の公正と正義に信頼して我が国の生存を守ろうと決意した」という他力本願な姿勢を「自分の国は自分で守る」精神に改訂したい。その時にこそ、日本の自己変革は完了すると信じるが故に。


編集部より:このブログは参議院議員、松川るい氏(自由民主党、大阪選挙区)の公式ブログ2023年5月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、「松川るいが行く!」をご覧ください。