”レストラン・ケイ”、41回目。
最初から最後まで、隙のない完璧な、時に想像を超えるおいしさで、感動の嵐。あまりのおいしさに、涙が出そうになる。
定番アミューズののち、秋の新作をブラッシュアップさせた、トロカヴィア寿司。これ、かわいくておいしくて、大好き。
カキフライは、見事な味の凝縮度。聞けば、先にコンフィールしてから揚げているそう。なるほど、それで牡蠣の旨味がギュッとするのね。
リゾットの歯応えは絶妙中の絶妙で、ねっとりカラスミとプチプチカヴィアが織りなす2種の旨味と塩気でたまらないおいしさ。
シーズン初の緑アルペルジュは、信じられないほど甘くてジューシー、そして香ばしい。焼いただけではこの甘味は出てこず、先にさっとブランシールするのがポイントなのだそう。
牡蠣もアスペルジュも、フランス料理的にソースがついていて、もちろんそれもおいしいのだけれど、ソース必要ないくらい主素材自身の味が完璧。
二人して、感動のあまり言葉も出ず、唸りながら極上アスペルジュを慈しむ。
そして、我が愛しのラングスティヌ。昨日収穫が今朝届いたばかりだそう。
圭くんのお店で仕入れるラングスティヌよりも高質なものに、私は遭遇したことない。これ以上ない質のラングスティヌを、完璧な火入と香りを纏わせて極上の一皿に。おいしさに痺れる。オマルディーヌソースも相変わらず素晴らしいのだけれど、これもまた、エビ自体の調理が完璧すぎて、フランス料理の肝であるソースが霞んでしまう勢い。
食材自体と調理の推進力というか躍動感、生命力と輝きが圧倒的で、ただただため息つきながら、恍惚状態で一皿一皿に向き合う。
鳩は、名残だけれどいまだ香り高いリシュランシュの黒トリュフをたっぷり仕込んだジュと。ソースのキレとコクが、品のよい鳩と完璧。圭くんの肉系ソースは、クラシックの真髄を軽やかに楽しめて、最高。
大好きニョッキは、揚がってる♪
ふわふわゴルゴンゾーラ、今日の中身はりんごコンフィ(だったかな?もう忘れちゃった)。”調理チーズ”の傑作の一つ。最後は、りんごとバターとお粉の魅力をぎゅっと凝縮させたタルトタタン。クリームとの相性もよいし、口直し的なレモンソルベとのバランスもいいね。
20年来ずっと好きで、コンスタントに食べてきている料理人が何人かいる。彼らのおいしさは常に感動をくれるし飽きたこともない。常に発展し続けているからなのでしょうし、おいしさが完成されているからでもあるのでしょうね。圭くんの料理を食べて12年。その発展をずっと追って来られたのは幸せだったし、この先20年も、ずっとずっと感動させてもらえたら嬉しいな。
なんかもう、おいしさのレベルがちょっと違うところに行ってしまったような、凄みすら感じる感嘆の料理たち。
小林圭と同じ時代を生きられて、本当に嬉しい。
最高の時間をありがとう、圭くん&スーパーチーム。夏には東京で会えるといいな♪
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年4月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。