知らない幸せ、知る不幸…ニュースはもう見るな!

黒坂岳央です。

昔はニュースの生殺与奪はマスメディアが握っていたが、今の世の中は何でも可視化され、一億総ジャーナリスト社会になった。それにより明らかに情報過多な社会を我々は生きている。結果、知りたくなかったこと、知って不幸になるニュースが社会に蔓延していると感じる。

一部のニュースを除き、意識的に見ないようにした方が幸せに近づくかもしれない。

franckreporter/iStock

世の中を暗くするマスメディアの報道

もちろん、すべてがそうだとは言わないが世の中の雰囲気を暗くする一因は、マスメディアの偏重報道にあると自分は思っている。

「世の中暗くなる」というのは個人の精神衛生の話に留まらない。経済の景気にすら影響を及ぼすこともある。景気という時には「気」という字が入っており、正しく人々の気持ちや気概が反映される。暗くなるニュースばかりが積極的に取り上げられる世界に身を置けば、前向きな気持ちも吹き飛ばされてしまう。マスコミは危機を煽り、視聴率を取ることで利益追求をするので放置すれば必然的に普通のニュースも悲劇的で暗いニュースにされてしまうので、ますます負の傾向が強まる。

犯罪の手口を詳しくセンセーショナルに取り上げることで、第2、第3の模倣犯を誘発したと見られる事件もある。そうなるとマスメディアは有益というより、むしろ人によっては害悪に感じる人すらいるだろう。自分はニュース記事やコラムを書く立場なので、ニュース記事を見る必要性に駆られるが悲劇的な暗いニュースについては見ないように意識している。とりわけ子供や若者が悲劇に見舞われる内容は気持ちが暗くなるので絶対に見ない。

ほとんどのニュースは知らない方が幸せに生きていける

正直、世の中の9割以上のニュースは知ったところで何の得もないといっていい。政治や経済については、ビジネスや投資の意思決定に影響があるし、大局の目指すべき方向性についての着想も得られるので見る価値はあるだろう。だが、その一方で悲惨な事件で命を落としたとか、有名人の誰が不倫したとかそういうニュースは知ったところで何のメリットもない。それどころか気持ちが暗くなったり、将来不安を煽られたりでデメリットが目立つ。

Yahoo!ニュースなどでは、そうしたニュースに対してコメント欄で憤りの声や怨嗟の声で溢れているが、その感情と時間の消費は人生の損失に近い性質があると思っている。もちろん、その人の行動は自由だし好きにすればいいわけだが、時間とヒマを持て余して仕方がない人を除き、多くの人は日々忙しく働いている。限られた時間とエネルギーを生産的なものに使った方が合理的なのは明らかだ。そうなると政治、経済ニュースや前向きなもの以外は意識的に遠ざけることで精神汚染を防ぐことができるだろう。

情報は諸刃の刃で、時に知らない方が幸せでいられることも少なくない。世の中で最も幸福度が低いのは、ニューヨークのホームレスだと言われる。周囲にはきらびやかで資本主義社会の勝者が闊歩するのを目の当たりにして、自分たちは負け組だと突きつけられる感覚に陥るからだ。しかし、無人島に住んでいたり、自給自足に近い社会に身を置けば幸福度はそこまで低くはならないと考えることもできる。情報も食事の栄養と同じで、取りすぎは精神的な健康を害するのである。

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