日本の1人当たり労働生産性(2021年)は、約8万1500ドル(購買力平価)となっており、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国の中で29位に沈んでいます。これは統計のある1970年以降最低の順位になるそうです。
「安いニッポン」に転機 2040年労働「1100万人」不足https://t.co/IeJT3JHBj5
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) May 15, 2023
日本人の労働生産性=労働の成果(GDP)÷労働者数で算出されます。GDPが名目だったり実質だったり購買力平価だったりで、数値も変わってきます。この労働生産性の国際的な順位が下がってきていることが問題とされています。日本の労働力人口は、2022年平均 で 約6900 万人となっています。
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これから日本が立ち向かい人口減社会では1人当たりの生産性を高めなくてはなりません。
人口を維持する必要はありません。生産性を高めればいい。日本はそもそも人口が少なくない。ヨーロッパで日本くらいの人口の国はありません。
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) July 11, 2022
しかし、日本人の生産性が高まらないために、いつのまにか一人当たりの名目GDP(約3万3000ドル)も30位まで下がってしまいました(約3万3000ドルと上記の8万ドルと開きがあるのは購買力平価ではなく名目であることと、国民一人当たりだからです。ちなみに購買力平価で計算すると38位とさらに後退します)。
日本人の生産性が低いために、いつのまにか一人当たりの名目GDP(USドル)は30位まで下がってしまいました。アジアでもシンガポールは日本の2.5倍、香港は1.5倍で、このままではいずれ台湾や韓国にも抜かれるでしょう。https://t.co/VvGV8ymbjY
— 橘 玲 (@ak_tch) May 20, 2023
日本のサラリーマンは過労死するほど働いているのに、生産性が低いのはなぜなのでしょうか。
「日本のサラリーマンは世界でいちばん仕事が嫌いで会社を憎んでいるけど、世界でいちばん長時間労働していて、それにもかかわらず先進国でいちばん労働生産性が低い」すべてはこれに尽きます。いまだに認めないひとは多そうですが。
— 橘 玲 (@ak_tch) December 12, 2019
「過労死するほど働いているのに、生産性が低い」のではなく、「過労死するほど働いてしまうから、生産性が低い」という指摘も。
「過労死するほど働いているのに、生産性が低い」のではなく、「過労死するほど働いてしまうから、生産性が低い」んです。 https://t.co/oJjivjR7MP
— 田端@新著「自分を探すな 世界を見よう」大絶賛レビューの嵐で発売中 (@tabbata) May 20, 2023
中小企業の生産性が低いという指摘もあります。
中小企業の生産性が低い問題は日本の生産性の低さの原因と言う統計的事実
中小企業庁のデータによると、中小企業の生産性(付加価値)は大企業に対して、50.8%しかない。
EUを見れば、EUの大企業の生産性に対して中小企業の生産性が平均して66.4%。
日本の比率より低い国は4カ国だけ。 pic.twitter.com/f5DYx4486u
— デービッド・アトキンソン David Atkinson (@atkindm) May 3, 2023
生産性が低ければ賃金も安くなります。
日本の賃金水準が国際的に見て低くなってしまったこと、日本企業の生産性が低下の一途を辿っていることなどは、これまでも問題とされてきた。
— 野口悠紀雄 (@yukionoguchi10) April 25, 2023
アベノミクスは生産性を上げることに成功したのでしょうか。
今は亡きリフレ派は「雇用の改善がアベノミクスの成果だ」というが、それは主婦や退職者をパートで雇い、正社員を雇用調整助成金で企業に閉じ込めたからだ。おかげで労働生産性は落ち、賃金は下がった。
— 池田信夫 (@ikedanob) May 13, 2023
一方で、生産性の議論は混乱しています。実際の現場だと、仕事を丁寧にやる・熱心にやる=労働生産性が高いと思われがちのようです。定義を確認してから議論しましょう。
「質が高いのに生産性が低い」じゃないんだよ。
値段が同じなら、サービス業では「質が高くなるほど生産性が下がる」に決まってるじゃん。
みんな「生産性」と言う言葉の基本的な定義すら知らないんじゃないの? https://t.co/Dae6IlU9yE
— 田端@新著「自分を探すな 世界を見よう」大絶賛レビューの嵐で発売中 (@tabbata) May 13, 2023
生産性の概念は、日本人の仕事マインドとはちょっと違っていて奥深いですね。
中国から買ってきた安いアサリに、熊本の海の水をちょいと付けて、熊本産とラベルを張り替えて高く売る。その高くなった分が付加価値って言うんや。高く売れば売るほど生産性が上がって、日本経済も良くなるんだわ。
— Kazuki Fujisawa (@kazu_fujisawa) February 1, 2022
一方、日本企業は売上高や付加価値(粗利)は増えていないのに空前の当期純利益に達しています。
日本の経済統計と転換点
「稼げず「儲かる」日本企業」バブル崩壊以降、日本企業の売上高や付加価値は停滞していますが、営業外収益が増えるなどのプラス要因もあり、空前の当期純利益に達しています。
稼ぎ(付加価値)は増えないけど、儲かる主体へ変化しているようです。https://t.co/1YQeArBUYG
— 小川製作所 (@OgawaSeisakusho) May 21, 2023
そんな日本企業の多くは、ここ数十年技術革新を怠りました。
中国の工業化に対応して日本は円安を進めた。それが技術革新を妨げて生産性を低下させ、産業構造もその当時からあまり変わらず、現在の事態をもたらしているのだ。
— 野口悠紀雄 (@yukionoguchi10) August 23, 2022
しかし、ある意味で日本企業はすごいという指摘も見られます。
日本企業はすごい。
賃金が低い。
非正規が4割。
税金を払う企業が3割。
金利もほぼゼロ。
大卒男子の初任給は最低賃金の1.3倍まで劇的に低下。
最低賃金も先進国最低水準。
有給休暇や育休の取得率も低い。
離職率が低い。
金銭解雇のコストもない。
— デービッド・アトキンソン David Atkinson (@atkindm) May 22, 2023
若い人はちゃんと勉強して格差社会に備えましょう。
「そんなのChatGPT使えばできるもん!」とか「これからは知識がコモディティ化するから勉強しても無駄w」とか言って勉強しない人が多数派になったら資本家は笑いが止まらんやろな。「道具」が「生産性の中核」にスライドしてくる中で、率先して「歯車」になろうとする「奴隷候補」が湧いてるんだから。
— trtmfile (@trtmfile) May 14, 2023