自然感染によるN抗体所有率こそ感染拡大しない理由

いままでのコロナの感染拡大は永江理論で簡単に説明がつく

感染しやすい人たちが一通り感染するとピークアウトするというのが山火事理論です。これでいままでのコロナの波は説明がつきます。

まず第1波は致命率は2%と非常に高かったが、感染しにくかった。これはクルーズ船でも明らかで、長い時間密閉された空間で過ごしたのに、感染者は実は全体の2割しかいなかった。世界57カ国から船員1,068人、乗客2,645人の計3,713人が搭乗。国籍は日本人が80例(全乗客の47%)。乗客が152例(88%)、船員が20例(12%)。乗客、乗組員の日本人比率がわからないので日本人がかかりやすいのか、かかりにくいのかは不明だが、オミクロンならほぼ全員が感染してしまうだろう。

この時点で初期の武漢型新型コロナは感染率がそれほど高くない(ウイルスを大量に被曝しないと罹患しない)ということがわかっていたのに、なにもしないと42万人が2ヶ月で死ぬという予測を立てた西浦氏はどのような専門家なのかは実に謎である。

これはいまだに北大サイトに掲載されている西浦氏のシュミレーションだが、60日で感染者数は1200万人に達し、生産年齢人口が0.15%、高齢者は1.00%をかけると42万人になる。実際にはなにもしなくても緊急事態宣言前にピークアウトしたし、こんな爆発的な全く感染力はなかった。クルーズ船データを見てなかった空想の数式だと思う。

正直デルタまで、つまり第4波までは日本での新型コロナは致死率は高いが感染力が弱く、死者数が少なかった。つまりそれほど脅威ではなかった。それが一変するのは第5波のデルタ株からである。

オミクロンから圧倒的な感染者を出した日本

上が日本の感染者数推移。下が世界の感染者推移です。

日本はオミクロンまでは感染者数が非常に少なく、オミクロンで大爆発したことが分かる。感染対策云々では説明できない。2021年夏から欧米ではマスクどころかほぼすべての規制がなくなっていたのに、それより遥かに多い感染率を日本のオミクロンは示した。

これはいま実証されているファクトで簡単に説明できる。

第4波のアルファ株までは日本人のファクターXがあった

ファクターXをわたしはHLAと予想して2020年の5月にブログを書いていた。

日本(アジア)の新型コロナ感染者、重症者、死者が欧米よりはるかに少ない理由はHLAと仮定するとドンピシャにはまる
わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では、5月からの塾生を募集しています。コロナ…

これが理研と東大によって論文になって報道もされています。たくさん解説が出ているがこれが分かりやすいと思います。

新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞-体内に存在するもう一つの防御部隊-

新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞
理研は、ヒトの体内に存在する季節性コロナウイルスに対する「記憶免疫キラーT細胞」が認識する抗原部位を発見し、その部位が新型コロナウイルスのスパイクタンパク質領域にも強く交差反応することを示しました。

白血球の型であるHLA24は欧米人には少なく日本人は持っている人が多い。このHLA24によって新型コロナにキラーT細胞が反応して感染して体内で増える前に守っていたことになる。

ところがこの効果はレポートによると第4波のアルファ株で終わった。論文の主旨はHLA24を突破するデルタ株の出現についてなのである。

デルタは五輪前、つまり2021年の6月くらいから拡大してきたが↑のグラフを見て頂くと日本では小さい波で終わった。これはどうしてか。

菅さんによるワクチンの大作戦が効果を出した第5波のデルタ

実は日本人にとって最大の山が第5波のデルタ株であった。欧米のようにアルファまでの感染がないため、自然感染による抗N抗体(以後N抗体と略す)を持っている人が少ない。

日本の前にはイギリスから。出典

2020年の終わりからワクチン接種をはじめたためワクチンによるS抗体は2021年8月時点で90%が持っていて、感染によるN抗体も20%が持っています。それでも感染は下火にはなったものの2021年の後半からオミクロンになったため感染爆発するわけです。この記事を書いた宮坂先生は「コロナはワクチンでは集団免疫が出来なかった」と書かれていますが今見ると、

イギリスは2021年の11月にはオミクロンに変わっており、ワクチンの感染防止効果がなくなっていたわけです。後出しじゃんけんすみません。

では日本はどうなったというと、デルタは小火事で済んで、そのあと年末までゼロコロナが続きましたよね。

こちらがワクチンのデータ。

まず医療従事者に接種され、続いて高齢者にワクチン接種されて、高齢者のワクチン接種率の上昇と共に高齢者の感染者が激減しました。緑の線を見たら、全体としては感染が増えているのに高齢者が激減したのが一目瞭然ですよね。

そして第5波では間に合わなかった中高年のおっさんたちが餌食になりました。わたしの友人も1人が重症、3人が中等症で入院です。しかしそのあとは特急でワクチン接種が進んで10月末までには8割が接種済みとなりました。

このおかげか、またはHLA24の効果がまだ少し残っていた可能性もありますが、2021年9月〜12月の見事なまでのゼロコロナ状態が続いたわけです。このようにデルタまでははっきりとワクチンには感染防止効果がありました。

ワクチンで感染が広がるなら、猛スピードで2回目3回目打ってたこの時期にゼロコロナおかしいことくらいわからないのだろうか。

オミクロンで日本が世界最大の感染国になった理由

これはもう明らかだと思いますが、ワクチンによるS抗体ではオミクロンには感染防止効果がなくなった。しかし日本人はそれまで守られていたので自然感染によるN抗体を持つ人が非常に少なかったのです。たったの2.8%しかデルタにかかったひとはいなかった(↓の表参照)わけだからそりゃ感染爆発します。ワクチンのせいでも何でもない。

理研はインフルエンザの自然感染とワクチンの抗体の違いを発表しています。

ワクチンと感染では作られる抗体の質が異なることを発見

インフルエンザウイルスに対する免疫反応がワクチン接種とウイルス感染では異なることを発見し、経鼻感染の方がワクチン接種よりも質の高い中和抗体である「広域中和抗体が産生されることを明らかにしました。弱毒生ワクチンの有効性を明らかにした本研究成果は、今後流行が予想されるインフルエンザウイルスだけでなく、感染拡大が懸念される変異型新型コロナウイルスに対しても有効なワクチンの開発に貢献すると期待できます。

誰がワクチンの抗体のほうが自然感染の抗体より優秀だと言いだしたのかはしりませんが、理研の研究では明らかに自然感染のほうが質の高い抗体になるとしており、コロナについても弱毒生ワクチン(毒性なくしてウイルスで実際に罹患させるワクチンで「ロタウイルス」 「BCG(結核)」 「MR(はしか、風疹)」 「水痘(水ぼうそう)」 「ムンプス(おたふくかぜ)」など)を開発すべきではないかとしています。

こちらは日本医師会の資料ですが、アメリカではN抗体を持つ人がこんなにいた。

だからオミクロンは日本ほど広がらなかったわけです。

これ、実は調べたら同じ事を言ってる専門家がいました。

マスクを着けている人が多い日本の新型コロナ感染者数が、世界最多なのはなぜ?

マスクを着けている人が多い日本の新型コロナ感染者数が、世界最多なのはなぜ?(忽那賢志) - 個人 - Yahoo!ニュース
日本は2週連続で世界最多の新型コロナ新規感染者数を記録しています。これだけマスクを着けている日本で感染者数が増えていることに関連して、マスクの効果に疑問を抱いている方もいるようです。今、日本で新規感染

反ワクさんの敵、忽那賢志先生ですね。w

後半のマスクは感染リスクを低下させるというのはタイトルの「マスクを着けている人が多い日本の新型コロナ感染者数が、世界最多」というのと明らかに矛盾してますのでどうかと思いますが、ここで日本の東京のN抗体保有率を厚労省のデータから挙げてみます。

↓ 2022年12月のデータ

まずワクチン接種の抗体であるS抗体は2022年12月現在で、東京都 98.4%、大阪府 97.5%、愛知県 97.2%、福岡県 97.7%もありますが、それでも第8波はきました。オミクロンにはワクチンはたいして感染防止効果はなかったといえます。全く無いと言うより抗体価が下がってくるとすぐに効果が切れるという方が正しいかも。

東京都民の自然感染によるN抗体は

2020年6月 0.10%
2020年12月 1.35%
2021年12月 2.80%
2022年2月 5.55%
2022年12月 28.2%
そして、
2023年3月  42.2%

となるわけです。しかしこれは全年代であり、インフルエンザは学校での流行が家庭に持ち込まれると言われていますが、活動量の多い若い世代はオミクロンのN抗体がもう7割近くあるのです。学校で感染拡大しなければ家庭に持ち込まれる確率はぐっと下がります。

年齢では明らかに若いほど感染しています。献血のサンプルなので15歳以下はありません。

これでオミクロンが日本で爆発した理由が

  • 日本人が自然感染によるN抗体をほとんど持っていなかった
  • 取得するのに1年を要した

ということであり、ワクチンでもなければマスクをしなくなったからでないことも分かります。

同様に祖国してワクチンのみで耐えようとした台湾やニュージーランドでは日本よりもさらにN抗体が少なかったためとんでもないことになりました。感染爆発して2ヶ月で日本の人口あたりの死者をぶち抜いたのです。これで「鎖国はコロナには間違いであった」という事が分かると思います。

これからどうなるを予測する

毎日のようにまたコロナが拡大しているという投稿が見られますが・・・・

モデルナの解析では、

明確に第9波のカーブは緩く山も低いです。これはまだN抗体を持っていないかきれた人たちの間で感染が広がっているためで、あきらかにいままでと経過が異なります。第7波〜8波まではピークアウトはたったの3週間でした。山火事理論で言うと燃える木がたくさんあった。いまは焼け野原にポツポツたっているだけなので延焼が遅いわけです。しかしまだ立ってる木は高齢者ばかりなのが・・・。

こういうイメージ。

いずれ大半が燃えて燃え移る木がなくなると鎮火(ピークアウト)しますが、N抗体は半年くらいで切れるので夏以降にはまた波が来ます。が、メモリーB細胞が覚えていて再感染の時は特急でまたN抗体を作りますので重症化はしにくい。人類はこうやって生きてきたのです。

一言いいたいのは、そもそも、

ワクチンは感染を防ぐためのものじゃない

ってこと。自然感染してN抗体を持つときの被害をなるべく小さくするためのものだったはず。高齢者はワクチンを5回も6回も打っているのだから、そろそろちゃんと感染してN抗体を持ってほしいわけです。感染対策や閉じこもりもいいけれど、そうしていると永遠に波が来て永遠に騒ぎます。予防注射が嫌で最後尾に並んでもいつかは打たれるのです。早くN抗体獲得して前に進みましょうよ・・・・・・。

コロナの時には高齢者のためにって子どもを閉じ込めて自殺者を過去最高の年間500人も出したじゃないですか。今度は次世代のために元気なときに感染して熱はちょっと出ますがN抗体をゲットして社会を回しましょうよ。

わたしは昨年12月にゲット済みです。w