平均的日本人からかい離する「個人投資家の金銭感覚」

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友人の株式投資家に誘われて、個人投資家が集まる名古屋のランチ会に参加しました。6人の参加者のうち4人は初対面というメンバーで、個室に男6人という色気のない会でした(笑)。

その日は夕方から東京で別件があり、現地滞在が3時間足らずの弾丸ツアーでしたが、普段お会いできない凄腕投資家の面々と意見交換することが出来、貴重な投資アイディアを得ることができました。

株式投資家の運用成績は、最近の株高で大きく潤っています。また、不動産価格も上昇していますから、不動産投資家の保有不動産の含み益も急激に膨らんでいます。為替もゆるかやな円安傾向ですから、外貨資産も円ベースでは増加しています。

株式は銘柄を選んだり、タイミングを見て売買を繰り返えさなくても、株式の低コストインデックスでマーケット全体を広くカバーして保有するだけで、日々利益が蓄積されている状態です。

不動産投資に関しては、晴海フラッグを購入した人が私を含めて3名おり、売却タイミングについて意見交換しました。数千万円になると予想される売却益に対する税金についてどうするかという贅沢な悩みを相談されました(私は税理士ではありませんからアドバイスは出来ません)。

会場の名古屋のレストラン(写真)は、常連客しか予約できない高級店でした。私より一周り以上若いと思われる個人投資家メンバーが、吉野家の牛丼100杯以上するような高額の支払いをファストフードの会計をするように現金で支払っていました。

かく言う私も、東京からの往復の新幹線代もありランチとしては更に大きな出費でした。しかも普段現金の待ち合わせがほとんどないので、現金払いのみと知って一瞬焦りました。

高額の出費でしたが、貴重な情報が得られ、トータルでは「価値>価格」だったと思い、わざわざ出かけてよかったと満足しています。

働いても給与がなかなか上がらない人が多い日本において、資産の置き場所をちょっと変えるだけで、勝手にお金が働いてくれる。そして、自分が働くよりも、お金が働く方が効率良く、増えるスピードも速い。しかも、保有した資産をそのまま何もしないで放置しておく方が、むしろ良い結果になる。何とも皮肉な状態です。

株価の急騰に「令和のバブル」が始まったという声も聞こえてきますが、昭和のバブルとは経済環境も随分異なります。

いつまで続くのかはわかりませんが、はっきりしていることは投資をしている人としていない人の経済格差が大きくなっているということ。

平日のお昼から優雅にランチを食べて情報交換している投資家の金銭感覚は、平均的日本人とは随分かい離していると実感しました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年6月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。