株価が「バブル後最高値」を更新し、インフレ率は4%を超えました。日本経済は1980年代のバブルがまたやってきたような活況を呈していますが、賃金はほとんど上がらない。円は1ドル=140円台になっていますが、貿易赤字は増えています。
この背景には、世界経済の大きな局面転換があります。2010年代の世界経済は長期停滞と呼ばれ、ゼロ金利・ゼロインフレの状況が先進国に広がり、「世界経済が日本化した」といわれました。この状況は、1930年代の世界恐慌の時代に似ています。
世界経済が大恐慌から脱却した原因は、第2次大戦による大規模なバラマキ財政でしたが、それはケインズが正しかったことを示しています。ちょっとした景気変動の調整には金融政策が有効ですが、ゼロ金利になるときかない。デフレとゼロ金利の悪循環から脱却するには、コロナ対策100兆円の無謀なバラマキが必要だったのです。
この見方が正しいとすると、日本経済はこの25年のデフレ状況から脱却できるかもしれません。日銀の植田総裁も「ようやくみえてきた2%達成の芽を摘んではいけない」と言っています。他方で、今の財政膨張によるインフレを金融政策で止めることはむずかしいので、インフレが暴走するリスクもあります。
もう一つの問題は、株式や不動産の資産バブルです。バブルも悪いことではなく、急激に崩壊するのが問題です。今後、日本がインフレ・円安の軌道に乗るとすると、この状況はしばらく続くと思われますが、それは1990年代のように崩壊するのでしょうか。それとも軟着陸できるのでしょうか。
2023年7月からのアゴラ経済塾では、インフレ・バブル・円安のゆくえをみなさんと考え、ゼロ金利の預金で目減りしている資産をどう運用すればいいかを考えます。授業はすべてオンラインで行うので、全国の(あるいは海外の)みなさんも視聴できます。録画をあとから見ることもできます。
講師:池田信夫(アゴラ研究所 所長)
テーマ(例)
- インフレはどこまで続くのか?
- ケインズは正しかったのか?
- 円はどこまで安くなるのか?
- 日本は長期停滞を脱却したのか?
- 株価はなぜ上がるのか?
- バブルは崩壊するのか?
- 資産はどう運用すべきか?
など受講生のみなさんの関心に応じて決めます。
テキスト
- ケインズ『一般理論』
- 門間一夫『日本経済の見えない真実』
- ブランシャール『21世紀の財政政策』
- マルキール『ウォール街のランダム・ウォーカー』
など随時指定します。
開催日:2023年7月7日から毎週金曜日(全12回)
7月7日・14日・21日・28日
8月4日・18日・25日
9月1日・8日・15日・22日・29日
時間:19:00~20:45(セミナー後にZoom飲み会つき)
定員:無制限(オンラインツールはZoomを使用します)。
受講者全員をアゴラサロンに無料でご招待します(受講期間中は無料)。
受講料
- 3ヶ月12回分:3万6000円(消費税込み)
- アゴラサロンの有料メンバー:2万7000円(同)
お申し込み方法:専用フォームに必要事項をご記入いただき、フォーム記載の弊社口座へのご入金をもって手続き完了です。
主催:株式会社アゴラ研究所