14日朝の事件の一報を聞いて、余りの衝撃に言葉を失っておりました。
自衛官候補生の発砲事件で亡くなられた菊松1曹、八代3曹のお二人に心からご冥福をお祈り申し上げます。負傷された原3曹の一刻も早いご回復をお祈りいたします。ご家族のお気持ちはいかばかりかと言葉もありません。
※ 本来、私は、加害者の姓名が明らかにされぬ中、被害者の方の姓名のみ明らかにされることには非常に違和感があります。が、防衛省は15日、死亡したのはいずれも守山駐屯地(名古屋市)の第35普通科連隊所属の菊松安親(きくまつやすちか)1曹(52)と八代航佑(やしろこうすけ)3曹(25)、負傷したのは原悠介3曹(25)で全治3カ月の見込みだと発表しております。これらは被害者のご家族の同意なしにはできぬことと考える故、お名前を書かせて頂きます。
18歳の自衛官候補生が上官を練習中に撃つとは、人としても組織としてもあってはならないことです。職務上、当然武器を扱う自衛隊員が仲間に武器を向け、殺してしまった。理不尽に殺された犠牲者の方の無念はいかばかりかと思いますし、これまで高い信頼を勝ち得てきた自衛隊という組織に対する日本国民の皆様の信頼を揺るがすゆゆしき行為です。
たった3か月でなぜ「教育係」の上官に銃を向けようとまで思うことになったのか、そして、そのような事態は防ぐことができなかったのか。このような事態は想定されていなかったのでしょう。少なくとも、教育係の3名は防弾チョッキを着用していなかったようですが、今後はマストとすべきです。
全容解明には時間が必要ですが、いずれにせよ、たった3か月で人を殺すまでの行動に出ることは尋常ではありません。どのような理由が個人的にあったと仮定したとしても、自衛官という立場ではじめて銃の扱いが許されていることの意味は理解すべきです。それ(武器)は、日本国、日本国民を守るために使われるべきものなのです。まかり間違っても仲間を撃つためのものであってはなりません。どのような理由や事情があったとしても絶対に絶対に許されないことです。
18歳の候補生のメンタルに問題があったのであれば、そのような者を採用してしまった採用過程の改善が必要ですし、もしもたった3か月の間に殺したいとまで思われる何等かの事情の発生があったのであれば、その点についての改善が必要です。いずれにせよ、こうしたことに最大の配慮をしても防ぐことができないような事態だったとすれば、発砲されても命に関わる自体とならないよう防弾チョッキの着用や、こうした事態が生じそうになった際の初動体制についての準備など、今次事件から、考え得る限りの対策を行う必要があります。
自衛隊は、外国からの侵略を抑止し、対処するための唯一無二の組織です。自衛隊員が故意に自衛隊員を殺傷するなどあってはならぬことです。次元の異なる厳しさとなった安全保障環境の中、我が国自身の抜本的な防衛力強化は不可欠ですし、そのために今、国を挙げて動こうとしています。その中核を担う自衛隊に対してはこれまで営々として積み重ねてきたたゆまぬ努力の賜物として、国民からの最高位の信頼が寄せられ、役割拡大に期待が高まっていました。そのような中で、このような事件が起きたことは返す返すも残念でなりません。
ヘリコプター墜落事故からも時間が経たぬ中、このような事件が起きてしまい、森下幕僚長はじめ防衛省・自衛隊の皆様にとっては辛い日々だと思います。それでも、取り組んでいる任務は崇高であり重要であり必要不可欠であることについて自信と誇りをもって取り組んで頂きたいと切に願います。どんな組織にも困難はあります。違いは直面した困難にどう対処していくかでありましょう。私は防衛大臣政務官としてご一緒に働かせて頂いた皆様の高い士気と日本を守り抜くという決意に心からの信頼を寄せるものです。どうか、この危機を乗り越えて頂きたい。
繰り返しになりますが、亡くなられたお二人に心からの哀悼の誠を捧げ、ご家族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。負傷したお一人の一刻も早いご回復をお祈りします。
そして、この悲惨な事件をその目で目撃したその場にいた多くの自衛官候補生達、そのニュースを知った自衛隊員達、そして、国民の皆様、それでも、どうか、自衛隊という我が国を守る唯一無二の組織である自衛隊への信頼と期待を失わないで頂きたいと心からお願い申し上げます。
編集部より:このブログは参議院議員、松川るい氏(自由民主党、大阪選挙区)の公式ブログ2023年6月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、「松川るいが行く!」をご覧ください。