いきなり!ステーキは「復活」できる

糖質制限から白米ダイエットに変節してから、すっかりご無沙汰していた「いきなり!ステーキ」に久しぶりに行ってみました。自宅から歩いて10分足らずの赤坂店です。

休日の夕食時でしたが、店内は3割程度のお客さんしかおらず、すぐに席に着くことができました。以前は立ち食いスタイルと着席の併用でしたが、すべて着席スタイルに変わっていました。

久しぶりに来て、気になったことがいくつかありました。例えばスタッフの接客、複雑なメニュー、肉以外のメニューの貧弱さです。

注文を取りに来た外国人スタッフは丁寧な言葉遣いでしたが、日本語がおぼつかず、何を言っているのか、意思疎通が十分にできません。人材の定着率が低く、スタッフの確保が十分にできていないようです。

また、メニューが多すぎて、複雑です。久しぶりに来て、何を注文して良いのか分かりませんでした。多様な選択肢を提供することも大切ですが、顧客層を広げるには、定番メニュを3つほどに絞り込み、カスタマイズできるようなもう少しシンプルでわかりやすいメニュー構成が必要だと思いました。

そして、一緒に注文したサラダのクオリティはレタスやオニオンをカットしただけの以前と変わらないものでした。価格を上げても、もう少し魅力あるものに改善した方が良い気がします。

注文したお肉は、お勧めのイチボステーキ150グラム(写真)です。これにスープとライスのセットで1600円。肉質も柔らかく、シズル感のある鉄板ステーキは価格に見合った味だと思いました。良質な肉を安定的に供給できるのは、大きな強みです。

いきなり!ステーキは、美味しいお肉をリーズナブルに食べたいという人にとっては、相変わらず魅力的なお店です。

その本質的な価値を見えにくくしているのが、接客、メニュ構成、サイドーメニュだとすれば、これらはすべて改善することができます。お肉のおいしさにフォーカスすれば、いきなり!ステーキは復活できるのではないか。

肉マイレージのルール改悪や、値上げによる悪いイメージが定着し、このまま店舗数が減少し、縮小均衡してしまうのはもったいないと思いました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年6月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。