黒坂岳央です。
「大人になってしまうと人はもう変わることができない」
「いや人は何歳からでも変われる」
人によって両者の意見への受け止め方は異なる。あくまで一般論で考えると確かに生まれ持った気質や性格は、なかなか変えることが難しいと言えるかもしれない。人間には恒常性維持機能やコンフォートゾーンと呼ばれる機能があって変化にアラートを鳴らすようになっているのがその根拠だ。しかしその一方で40代、50代からでも大きく人生を変えた人も確かに存在する。
個人的には10代、20代の頃の方がとても頑固で変化に弱く、自分の考えを固執して思うように動くことができなかった。しかし、最近になってから昔に比べて柔軟になれたと思う。「変化するコツ」のような感覚を得た。
本稿では変化できる人の特徴を独断と偏見で取り上げたい。
1. 客観性がある
まずはなんといっても客観性である。わざわざ「客観性は大事」と言わないといけないほど、人は主観的にしか世界を観測できない生き物だ。「普通そんなことしないでしょ」とか「普通やるものでしょ」といった発言は誰しもよく聞いた事があると思うが、この「普通」という言葉にもその人が主観的に考え、自分流を相手に押し付けている態度に現れている。
何歳からでも変化できる人は、主観的ではなく客観的に考える力の持ち主だ。自分が見ているままの世界ではなく、自分の頭上3メートル上から自分自身を俯瞰して行動や思考を客観視し、必要な改善をするというイメージである。
自分自身について言えば、仕事では客観的に考えるようにとても気をつけている。仕事は自分がやりたいことだけをやっても、誰からの評価も得られない。
人間国宝級とか、国民的アイドルなら何をしても喜ぶ人がいるが、自分はそのような性質を持たぬ人間であるため社会や潜在顧客からの支持を得られる行動をしてナンボだと思っている。だから常に相手が喜ぶことやパブリックに公益性のある仕事に注力するべきなのだ。仕事は「自分がやりたいこと、社会から求められること」を混ぜてはいけないのである。
結論、マーケットニーズの変化にあわせればいい。「なるほど、これまでと同じやり方では支持を得られないのか。新たなニーズをリサーチして支持される仕事にしよう」と客観的に考えることで自然に仕事のやり方は変わる。
2. 必要な勉強をする
変化するために必要なポイントの2つ目は勉強である。理由としては世界は変化しているからであり、常に現況に自分自身を合わせる必要があるからだ。間違っても「周囲が自分に合わせるべきだ」と傲慢に考えるべきではないのである。
たとえば自分の経営する会社の取引先の中には、頑なにFAX受注にこだわり「うちはずっとFAXでしか注文を受け付けていませんので」と言う業者がある。FAXの代わりに電話という会社もある。
その企業しか仕事をお願いできないような独自性、優位性があるならワガママも通るが、市場には無数のライバルがいるのが普通であり、現在はFAXが中心の商慣習ではないため自我を通して変化を拒むと困るのは自分だ。ビジネスにおいては顧客も取引先も時間の経過で償却するので、変化に対応しなければジリ貧になるのは明白である。
だから常に必要な情報を勉強して、自分を変化する必要がある。知識がなければ変化の必要性がわからないので、まずは知識を仕入れて必要性があることは取り入れる。これは仕事に限らず、人間関係でも同じことが言える。
3. 謙虚で寛容
最後は謙虚で寛容な姿勢を持つことだ。
年齢を重ねると人は頑固になり、上下関係を意識して上から目線になりがちである。しかし、謙虚で寛容な心を意識すれば、変化への対応力をつけることができる。
謙虚さや寛容さは相手へのリスペクトと、世の中には上には上がいるという自身の未熟さを認める姿勢から生まれる。この姿勢が「自分はまだまだ知らないこと、できないことは多いのだから学びを得て成長の必要がある」という意識につながり、そして積極的に自分自身を変化させようという価値観になる。実際、一流ほど驕らず姿勢が謙虚でよく学び、そして必要に応じて自分自身を変化させる。
対人関係についていえば、相手ではなく自分自身も間違っている可能性を常に排除せず、間違いを理解したら素直にお詫びをして次に同じことがないように改善する、自分はこのことを常に意識するようにしている。逆にこれをやめてしまい「自分は常に正しい。周囲は間違っている」という考え方になると成長は止まり、周囲から人が離れ、そして変化できない頑固な人間になってしまうだろう。
◇
何歳からでも変われる人は、以上3つの特徴を持っていると考える。よく「歳をとったから変化できなくなった」と口癖のように言う人がいるが、よく観察してみるとそういう人は若い頃から変化できていないことがわかる。だが必要になれば人は何歳からでも変われる。それには本稿で取り上げた3つのポイントが重要だと思うのだ。
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