AI「韓国側の主張は科学的ではない」

このコラム欄で韓国の野党・反日活動家の東京電力福島第1原発の処理水海洋放出反対について報じたが、いくら実証的に説明しても彼らは理解しないばかりか、益々声を高めて反対するだけだ、といった印象を改めて感じた。

韓国の労働組合員らが釜山の日本総領事館前で東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に反対する記者会見を開いた(写真は聯合ニュース、2023年6月27日)

それではどうすればいいのか。日本政府、福島第1原発関係者の皆さんは悩みも深いだろうと考えていた時、「そうだ、人工知能(AI)にその是非を聞いてみるのもいいのではないか」というアイデアが湧いた。AIは日韓の「過去の歴史」のしがらみがないから、客観的に事の是非を判断できる、と思ったからだ。

処理水の海洋放出に反対する韓国側は相手が日本人ではなく、人工知能となれば「何も知らないくせに…」などと文句は言えない。膨大な情報、資料を掌握しているAIの、その情報量と処理能力は通常の人間が及ぶものではないからだ。

そこで対話型AIのGPT3に早速聞いてみた。

【質問】
国際原子力機関(IAEA)が福島第1原発の処理水の海洋放出に問題がないとの報告書を公表しました。IAEAの報告書は信頼できますか。

【回答】
国際原子力機関(IAEA)は、原子力技術の平和利用を促進するために設立された国際機関であり、その役割は原子力安全や保護、非拡散などに関する国際的な基準の策定と推進です。IAEAは独立した機関であり、その報告書や指針は多くの国や科学的な専門家から構成される審議の結果で作成されます。

一般的に、IAEAの報告書は科学的な信頼性があり、国際的な原子力コミュニティで広く受け入れられています。IAEAは、原子力安全や環境への影響に関する研究や評価を行い、その結果を公表しています。

ただし、IAEAの報告書や指針に対しても議論や異論が存在する場合があります。特に、原子力問題に関しては意見の相違が存在し、異なる立場からの批判や疑問が提起されることもあります

【質問】
韓国の野党や反日活動家は福島第1原発の処理水の海洋放出に反対していますが、それは科学的な態度でしょうか

【回答】
韓国の野党が福島第1原発の処理水の海洋放出に反対していることは、科学的な態度とは言い難いと言えます。科学的な態度は、科学的な根拠や証拠に基づいて意見を形成し、科学的な専門家や国際的な機関の評価を重視することを指します。

福島第1原発の処理水の海洋放出について、IAEAは科学的な評価を行い、その放出が安全であるとの報告書を公表しています。また、日本政府も同様の評価を行っており、処理水の海洋放出は科学的な根拠に基づいて決定されたものです。

野党が反対する理由や主張には、政治的な要素や環境保護の観点からの懸念が含まれている可能性があります。ただし、科学的な態度を持つ場合は、その懸念を科学的な証拠や評価と照らし合わせ、独立した専門家や科学的な研究結果との対話や議論を通じて意見を形成することが望ましいです。

(GPT3は福島第1原発の処理水の海洋放出に反対する韓国側は「科学的な態度」とはいえないと指摘しているわけだ。そして韓国側の反対理由には、「政治的な要素や環境保護の観点からの懸念が含まれている可能性がある」と、韓国側の主張の根拠にも理解を払っている)

そこで、福島第1原発の処理水の海洋放出は問題ないと考えていいのですねと念を押した。

【回答】
福島第1原発の処理水の海洋放出について、IAEAや日本政府などの評価に基づけば、科学的な根拠と基準に従って行われる限り、その放出は安全であるとされています。IAEAの報告書によれば、適切な処理が行われた処理水の海洋放出は、人体や環境に対するリスクを最小限に抑えることができます。

処理水の海洋放出に関する評価は科学的な根拠に基づいて行われ、国際的な規制や基準に準拠しています。トリチウムを含む処理水は、厳格な処理プロセスを経てトリチウムの濃度が国際基準以下にまで低減されます。また、海洋放出においても、適切な場所・方法・量の管理が行われることが重要です。

以上、GPT3の回答だ。参考にしていただければ幸いだ。

ソウルからの情報によると、韓国の革新系野党「正義党」の李貞味代表は26日、福島第1原発の処理水の海洋放出に反対するとして、ハンガーストライキを始めた。また、韓国の国会農林畜産食品海洋水産委員会は27日、海洋放出計画の撤回や国際海洋法裁判所への提訴・暫定措置請求を促す決議案を同委の過半数を占める最大野党「共に民主党」が強行採決し、可決した(いずれも韓国聯合ニュース日本語版)。

韓国の野党、反日活動家にとって、その主張が科学的か否かはどうでもいいのだろう。とすれば、協議したり、交渉したりしても成果は期待できない。非科学的、非論理的な相手を説得するにはどうすればいいのか、AIは冷静に論理的に答えてくれるだろうか、それとも、「もう交渉はお止めなさい。時間の無駄です」と回答するだろうか。


編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年6月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。