コルヴェール(パリ6区)

ヤニック・アレノ時代の「ル・ムーリス」厨房にいたアルノー・バティストがシェフを務める新生「コルヴェール」(前は、昔風のビストロだったっけ)に、当時ヤニックの秘書ちゃんだった仲良しとご飯食べにいく。ヤニックが三つ星取った時に、彼も彼女もあそこにいて、私も通ってた時期なので、共通の思い出がたくさん。ご飯前、思い出話に花が咲く。

フィリポナのノン・ドゼで乾杯し、グリーンピースのタルト。行者ニンニクやアーモンド、バジル、海藻の香りを纏わせた春らしい味でチャーミング。ただ、友達の、仔牛カルパッチョの紫蘇巻きがすごくおいしくて、ちょっと霞んだ。

続いて、旬のモリーユを、クレッソン、ヴァンジョーヌ、ニンニクミルクで風味づけた、これまたすごぶる春らしい一皿を半分こ。これがおいしいったら!ソースというかクリームの仕上げ方が絶妙。あー、なんかヤニック感じるね、と二人揃って拍手。

軽く酸化した香りがヴァンジョーヌとよく響き合うロワールのムロン・ド・ブルゴーニュを相方に、お皿に残ったソースも、しっかりパンに絡めて最後まで味わう。

主菜はホロホロ鶏。胸は備長炭で焼いて、腿はとろとろ。アンチョビ効かせたジュが小気味よい。フローラルでまろやかなロワールのカベルネ・フランとよく合う。

デセールは、ショコラガナッシュ&ストリューゼルにピーマンデスペレット(アルノーはバスク地方出身)と、イチゴ&ヨーグルトをつつく。

リニューアルオープンしてまだひと月だけど、満席、2回転テーブルも。場所柄、ふらっとやってくる観光客も少なくなく、満席ですと断られてる人たちも。友達は大いに気に入り、その場で再来週の予約。

おいしかった&ごちそうさま、アルノー&エキップのみんな。


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年5月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。