銀行の振込制限が資産運用の大きなハードル

銀行に預けてある待機資金を使って投資商品を購入しようとする場合、購入資金の送金準備をかなり神経質に行う必要があります。

というのは、ほとんどの銀行には、1日の振り込みや月間の振り込みの制限金額が設定されているからです。振込当日に手続きしようとして、限度額のせいで購入出来なくなる事態は避けたいところです。

多くの伝統的な銀行では、ネットやATMでの1日の振り込み制限が500万円程度になっています。

1,000万円を超える振り込みになると、店頭にわざわざ出向き、振り込み手数料を追加で支払って手続きをする必要があります。

今月購入予定のとある会社が発行する私募債は。トータルの購入金額が数千万円になります。指定された期日までに指定された口座に資金を振り込む必要があります。

個人名義での購入なので、複数の銀行にある個人口座から集めて振り込みたいのですが、今回の投資金額全額を店頭に出向かないで手続きできる銀行は、私が保有している金融機関口座の中ではSBI新生銀行しかありません。

この銀行だけは自分で1日の振り込み限度額を設定することが可能で、現状は1日1億円まで対応してくれます。それ以外の銀行は、振り込み手続きが店頭でしかできないことになります。

金額制限をかけているのは、セキュリティーの問題だと思います。しかし、数百万円の振り込み限度額では足りないことが多く、手続きに手間と時間がかかりすぎて、現実的な金額ではありません。

せめて、指紋認証などで強いセキュリティーがかかっている銀行口座に関しては、振り込み限度額を自分で増やせるように対応してもらいたいものです。

希望する金額が万が一振り込みできないリスクを考えると、投資用の待機資金は、SBI新生銀行に集約させるのが安心です。SBI新生銀行は残高を一定以上に維持することで振込手数料が無料なのも助かります。

いずれにしても、今回はそれぞれの銀行の振り込み限度額の確認と当日までの送金手続き準備で忙殺されそうです。

Motortion/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年7月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。