優秀なビジネスマンは即断即決ができる理由

黒坂岳央です。

自分が知る限りの優秀な人の共通点として「即断即決ができる」という印象がある。「この人は仕事で大きな結果を出すが優柔不断で決断が遅い」と感じる人は一人もいない。また自分自身もビジネスマンとして経験を積み重ねる上で、即断即決ができるようになっていったという感覚がある。

自分自身の体験を踏まえてその理由を取り上げたい。

Mirel Kipioro/iStock

1. 失敗を許容しているから

どんなビジネスでも必ずしもうまくいくとは限らない。時には連続して失敗を重ねることだってある。

しかし、優秀なビジネスマンほど「失敗をしても良い」と許容する感覚を持っている。もちろん、再起不能な大失敗は誰もが回避したいものだが、一度目、二度目でうまくいかなくても三度目の勝負で成功するための道筋を浮かび上がらせるきっかけになることはある。

うまくいかなかったことからも、有意味なデータを取ることができるという点で失敗への許容度の高さをやる前に受け入れているので「とりあえずスモールスタートでやってみよう」と即決につながるのだ。

これがもしも「うまくいかない=大失敗」という感覚を持っていると、なかなかゴーサインを出すことはできないはずだ。しかし自分の実力を超えた挑戦をする上ではむしろうまくいかないことが真のスタートラインなので、かすり傷程度で済むならドンドン挑戦するべきという感覚の持ち主は即断即決ができるのだ。

2.常に答えを考え続けているから

経営者なり個人事業主なり、自分ですべてを意思決定をして仕事をする立場の人の特徴として「仕事とプライベートの境目がない」というものがある。昨今、ワーク・ライフ・バランスが叫ばれているが自営業者はプライベートの時間を過ごしている時も仕事のことを考え続けていることがほとんどだ。

そのため、いざ答えを問われても常にその時々の最適解に近い答えを持っている。質問者にとってはあたかもその場で即断即決したかのように感じられるかもしれないが、ずっと答えを考え続けているので問われてすぐ答えを出すことには特段不思議ではないのである。

3.答えを出すプロセスが最適化されている

そして答えを出す計算プロセスは、これまでの仕事の経験を経て合理的、効率的の極みのようになっているのでいちいち迷ったり考え込むということがないのだ。似たような仕事で似たような決断をしてきた経験があれば、「この仕事はパターンAの方が早く思えるが、Bの精度で取り組む方がトータルでは合理的になる」といったテンプレに落とし込んで答えを出せるのだ。それをその場で決めてしまうように見えるだけである。

ビジネスは「とりあえず結論」を出すゲームなので、経験を積めば積むほど答えを出すのが上手になっていく。たとえると計算ドリルを毎日解き続けて熟練するような感覚に近い。しかし、サラリーマンは上司や他部署、経営者の承認を取ってチームで答えを出す立場なので、このあたりの感覚は自営業者と違っているだろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。