アベノミクス再考と安倍晋三の本当の狙いとは?

安倍元総理暗殺一年後の岸田政権

衝撃の元首相暗殺事件から1年、私たちが失ったものの大きさを改めて実感することが多い。今になってさえ、安倍晋三を回想する声は、与党自民党もそうだが野党から聞こえてくる声の方が大きい。また、その支持者も然りだ。

一方で、金融緩和効果が着実に表れている証左として、賃金上昇、失業率低下、有効求人倍率の高さ、インフレ圧力に同調した賃金上昇機運と少し考えても既に結果は出ているのだが、野党が言いたいことはそこではないようで、先の拙稿でも触れたように、未だモリカケだの桜だの文書改竄だのと騒ぎ立てている。

繰り返すが、それは負け犬の遠吠えでしかなく、安倍晋三が残したものに縋って普段の生活を送っている筈の野党議員とその支持者ですら、未だ安倍晋三に対しての甘えが見られる。つまり、鬼籍に入った不世出の宰相はゆっくり休むこともならず、泣きじゃくる子供達に手を差し伸べ続けているのだ。

本当に安倍晋三が稀代の悪代官だったなら、話題にすら登らないだろう。ところが、安倍晋三亡き後をどうにかこうにか生き抜こうとしている我々以上に、野党議員とその支持者は安倍晋三の功績を懐かしむ。その声は、安倍晋三に救いを求めている声そのものではないか。

実際の数字で見れば、これは明白だ。岸田政権の支持率は、低迷したままだが、これは誰が政権を握ろうと、概ね同じような数字が出る。期待の裏返しと言われているのが、アベノミクス継承かと思われた政策のうち、増税路線に向かいつつあることが支持率を下げている最大の要因であることは間違いない。

内閣支持率

NHK世論調査 内閣支持率 政党支持率 毎月の最新情報 | NHK選挙WEB
NHKが毎月行っている世論調査のうち、内閣支持率については2013年の第2次安倍内閣発足以降の推移が一目でわかります。また調査結果をお伝えしたニュースに基づいて、そのほかの内容も掲載します。

不思議なのは、岸田総理はまるで安倍元総理の足跡を辿るような行動をしているように思えてならない。特に外交面での動きは安倍元総理の動きを意識している気がする。確かに安倍元総理時代、長期に渡り外務大臣も歴任して安倍政権を支えた実績はあるが、そもそも安倍元総理の地球儀外交の端緒は、トランプ政権誕生前、オバマ政権の時から始まっていた。

その安部外交の良き女房役だった岸田総理が、安倍元総理の代役にはなれないし、安倍元総理との違いは胆力と発信力だろう。国民に分かりやすい方針を打ち出すという点でも、安倍元総理は良い意味で巧妙で人たらしだった。

各党の支持率は NHK世論調査

エラー|NHK NEWS WEB

NHKの最新の世論調査結果は、岸田政権が増税路線に向かっているとの憶測もあってか自民党の支持率も下がってるが、最大支持率を得ている無党派層は、仮に現在の増税路線が本当に現実味を増せば、当然だが野党支持に回ることも考えられる。ではここで野党が巻き返せるだけの材料があるかと言われれば、無い。

以降、

・力不足の野党とアベノミクス効果
・アベノミクスの本当の狙い
・安倍晋三の本当の狙い

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。