藤田真央&ラジオフランス管弦楽団&マレク・ヤノフスキ@ラジオフランス。
2018年秋に、ルイ・ヴィトン財団でのリサイタルが、初真央くん。楽譜(=作曲家)への敬意が感じられる、丁寧な音色が素敵だった。以来、聴くチャンスなかったので嬉しいな。
今夜は、コンツェルト。リサイタルとはまた違う印象になるのかな、ワクワク。
セーヌを超えてラジオフランスへ。
モーツアルト”ピアノコンツェルト23番”。
おぉぉ、音色がとっても柔くて優しくてきれい。ツヤツヤキラキラではなく、しっとりまろやか。深くて美しいささやきと吐息、なイメージ。高音ピアノの表情と響きがとってもきれいで聴き惚れる。ゴシックではなくロマネスクな雰囲気がモーツアルトによくあってる。残響短めのホールなので、一音一音のきれいさというか丁寧で表情豊かな音作りがよくわかる。
自己主張が強すぎず、こちらから追いかけたくなるような、いい意味で控えめで上品な響きと音量。
オルガニストの友達は、”もう少し出てきてもいいと思うけど”と言っていた。”教会の音響に慣れちゃってるからかな(笑)”とも。
ネットで聴き直すと、ライヴの時よりピアノの音が大きい。聴いてた場所もあるのかな?プルミエバルコン一列目、ピアノとの距離も近くて(このホール、舞台と客席の距離がとても近い。プルミエバルコンで舞台からのこの距離ってすごい。珍しい角度から舞台を見られる。)、決して悪い席ではないのだけれど。
モーツァルトがは技術よりも表情を楽しめる分、アンコールのプロコフィエフでは、ヴィルチュオーソとしての魅力がキラッキラ輝きながらはじけている。やっぱりいいな~、真央くん。
後半は、ブルックナー”シンフォニー9番”。大好物♪
初体験のヤノフスキの振りがうまい~。この爺様、ブルックナー大得意にしているそう。ラジオフランスの首席指揮者を長年務めていたので、オケとの相性もよいのでしょう。トゥッティのコントロールが見事で、各パートの魅力をくっきり描き分けてる。かなりのスピードで、なめらかかつキレのよい9番という、珍しい、でも魅力的な演奏。
ブルックナー(とワーグナー)は、ホルンがちゃんとしてれば形になるけれど、今日もその通り。九本のホルンたち大活躍。ワーグナーチューブも四本出てきて、幻想的で神秘的(教会的)な音でうっとりさせてくれる。オーボエトップも上手い。
真央くん目的で行ったけれど、指揮者よくてオケもまあまあ頑張った、よい演奏会♪
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年5月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。