ゼレンスキー大統領がクリミア半島南部とロシアを結ぶクリミア大橋が「攻撃目標」であり、「破壊」されるべきだと明言しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、ロシアの占領下にある南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ自動車・鉄道橋「クリミア橋」について、「攻撃目標だ」との認識を示し、破壊すべきだと述べました。https://t.co/x21cKisCAE
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) July 22, 2023
そもそもクリミア大橋はロシアが不法にウクライナから奪った領土であるクリミア半島に架けられたものです。
実際、クリミア半島の不法占拠を前提に作られた橋なので、民間施設とはいいがたいところがあるが、それでも戦争に直接関与していない人々も対象になりうる点は他のインフラも同様。ロシア… #NewsPicks https://t.co/QNCaeNBfaM
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) July 23, 2023
また、クリミア大橋を経由してロシアがウクライナを攻撃するための戦略物資が運ばれているため、自国を守るためにこの橋を攻撃することはウクライナにとっては当然の権利であり、正当防衛の一環です。
「クリミア橋は軍事輸送に使われていない」。そんなロシアの主張を、真っ向から否定した形です。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、クリミア橋をめぐって「単なる物流道路ではない。ロシア軍がこの橋を通じて弾薬を受け取り、半島全体を軍事化している」と指摘しました。https://t.co/zVPtiGwjNQ
— 朝日新聞国際報道部 (@asahi_kokusai) July 22, 2023
クリミア大橋が攻撃目標であるとはっきり述べたゼレンスキーですが、ウクライナは以前からクリミア大橋への攻撃を繰り返しています。
ウクライナ大橋襲撃の前日、ウクライナの自爆水上ドローン2隻と自爆ドローン7機がセヴァストポリ軍港を襲撃した際の迎撃映像。
今考えると前日のこの攻撃は陽動でロシアの警戒と防衛がセヴァストポリ軍港に向いた瞬間にクリミア大橋を攻撃したとわかるよね。 https://t.co/SYziZdO3sD— 部谷直亮 (@a2ad_nh) July 19, 2023
去年もクリミア大橋が破壊される事件が起きましたが、その時のウクライナ政府はロシアの「自作自演」を主張していました。
「爆破前からロシア軍準備」 ウクライナで自作自演説くすぶる
ウクライナ国防省情報総局は10日、全土を狙ったロシア軍による大規模攻撃について、今月2~3日から爆撃機や艦艇の準備が進んでいたとの見解を表明しました。https://t.co/QOPwkzQXbk
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) October 11, 2022
最終的にウクライナがクリミア大橋を破壊してまで達成したいのがクリミア半島の奪還です。しかし、クリミア半島には現在50万人から80万人のロシア人が在住しているそうで、仮に奪還作戦に成功しても、それらの住民の対処という問題が浮上します。
Tamila Tasheva, President Volodymyr Zelensky's permanent representative for Crimea, told Newsweek on July 16 that Ukraine will have to deal with an estimated 500,000 to 800,000 Russian citizens who came illegally to Crimea after annexation. https://t.co/j4CotKZRyy
— The Kyiv Independent (@KyivIndependent) July 16, 2023
ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領のクリミア担当常任代表であるタミラ・タシェワ氏は7月16日、『ニューズウィーク』誌に対し、ウクライナは併合後にクリミアに不法入国した推定50万人から80万人のロシア市民に対処しなければならないと語った。
頻度が増すウクライナによるクリミア大橋への攻撃ですが、これに対しロシアがどういう対応を取るかで、クリミア半島をめぐる戦況に影響が出てくるかもしれません。