防衛省は防衛輸出担当の参事官を作るようです。
多分機能しないでしょう。
そもそも防衛省に防衛輸出に詳しい人物がいません。いたら飼い殺しにするか、追い出しています。抽象的にやったふりだけするポストになるのではないでしょうか。多分漫画やアニメで牛丼やラーメンを見たことはあるが食べたことない人間が、見よう見真似で牛丼やラーメンを作るような感じになるでしょう。
本気でやるならば、専門の機関を作るべきですよ。英国ならばDESO(Defence Export Services Organisation)のような組織を参考にすべきです。すぐに同規模のものを作れとはいいませんが、小規模でも自己完結して責任を負う組織をつくるべき。
そして人材は外部からスカウトする。商社の退職者などは適任でしょう。そもそも「輸出」や「軍事産業」「市場」を抽象概念でしか理解していない内局官僚や制服組には無理です。組織を立ち上げて徐々にプロパーの人間を育てていく必要があります。無論商社やメーカーからの転職者を受け入れるような風通しの良さも必要でしょう。
更に申せば、装備開発の時点で輸出も考えた上で開発が必要です。そういうマーケティング的なことを考えられる人間を防衛省はほぼ追い出しました。
輸出をするためにはNATO規格の導入が不可避です。例えば装甲車輌でもNATOの規格のどれに当たるの? と聞かれてわからないとか、手の内は教えないとか寝言を言っていて売れるものですか。
他国並みに装備についての情報開示も必要となります。それをやる度胸が、隠蔽体質の防衛省、自衛隊にあるかと言えばないと思います。何しろ南スーダンの日報隠蔽するような組織ですよ。
防衛省は防衛装備の輸出を拡大するため組織を改編する方針だ。2024年度予算案の概算要求に輸出促進を担う課長級の参事官ポストの新設を盛る。参事官を支える職員を10〜数十人置く計画を立てる。
新たなポストは防衛装備庁の装備政策部に置く想定だ。米欧や東南アジア、アフリカ諸国などと防衛装備の輸出や共同開発に関する調整を担う。
現在は防衛装備の輸出に関する国内の制度整備や企業の相談窓口などを装備政策課長や国際装備課長の下で統括する。いまの課長が抱える業務の一部を参事官に移し、それぞれの業務量の増加に対応しやすくする狙いがある。
【本日の市ケ谷の噂】
陸幕衛生部No.2の衛生企画室長中家和宏1等陸佐は、後輩医官と「社内不倫」し、妊娠させ、妻と離婚後不倫相手の後輩医官と結婚するもお咎めなし。将の器に非ず、との噂。
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2023年8月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。