成功に必要なのは「頭の良さ」より「馬鹿になる」こと

私の周りにいる人たちを見ていると、成功(自分のやりたいことを成し遂げること)に必要なのは、どうやら頭の良さよりも馬鹿になることのような気がしてなりません。

むしろ、頭が良いことは、成功の妨げになるとさえ感じます。

というのは、頭の良い人は何かをする前に、まずリスクから考えます。失敗するとどうなるか、最悪のシナリオはどうなのかなどと、あらゆる可能性を検討して、慎重に判断するのです。

しかし、変化の激しい今の世の中において、過去の経験やデータを基にあれこれ考えても、そもそもインプットが間違っているわけですから、アウトプットも正しくなる訳がありません。

逆に、馬鹿になれる人とは、あまり物事を深く考えず、取り敢えずやってみる。だから、始めることのハードルは高くありません。

失敗することもあるかもしれませんが、その中のいくつかは大きな成功につながります。トータルで見ると、失敗より成功からのリターンが圧倒的に大きくなるという訳です。

実は、世の中の多くのは人は、リスクを過大評価しています。実際にやってみると、それほど失敗しないことでも、始める前から諦めてしまうのです。

あれこれやらない言い訳を考える頭の良い人よりも、あまり考えずまずやってみる馬鹿になれる人が成功する。これは当たり前と言えば当たり前のことです。

そう言えば、プロレスラーの枠を超えて活躍したアントニオ猪木氏も「馬鹿になれ」と言っていました。

彼の引退メッセージでは、こんな言葉をファンに贈ったそうです。

「道」

この道を行けば どうなるものか

危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし

踏み出せば その一足が道となり、その一足が道となる

迷わず行けよ 行けば分かるさ

そして、あのアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏もスタンフォード大学の卒業式の伝説のスピーチでこう語りかけました。

Stay hungry,Stay foolish.

スティーブ・ジョブズ氏 Wikipediaより

だから、小賢しく考える前に、まず馬鹿になって行動することです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年8月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。