原発処理水問題、日本人が魚を爆食いできるチャンス

高校野球がネットで生中継されたので時々見ていましたが、慶應旋風は高校野球の常識を破った感じでかつて駅伝で青学が優勝した時と似た変革の予兆を感じます。

もちろん、「たまたま」という専門家もいるでしょう。が、ブランド校は金とチカラと環境を整え、気力ではなく知力の野球を進めるようになるはずで、練習の仕方から戦い方まですっかり変わるかもしれません。応援がうるさかったと言いますが、逆に相手校も負けない応援団を繰り出せばよいだけです。次回以降は何処もうるさくなりそうです。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

ジャクソンホール通過

夏休み期間でニュースがないため、ジャクソンホールでのパウエル議長の発言に注目が集まっていましたが、結局予想した通りの消化イベントとなりました。ただ、株式市場は手放しで喜べる状況ではなく、その後も方向感を欠く展開となっています。

最大の番狂わせは好決算発表のエヌビディアの株価でしょう。決算発表を受け、木曜日寄り付きでは7%近く上昇したものの終値はほぼ変わらず。そして金曜日はナスダック指数が0.94%上昇したにも関わらず、同社株は2.43%安と売り優勢で終わりました。これは日本の半導体関連株には不利。

トロントの証券マン氏が「何で(カナダの)銀行株はさえないのか?」と呟いたので、「そりゃ景気の裏返しじゃないの?」と返しました。

私のシェアオフィスでよく話すフィナンシャルブローカー氏が今朝、「昨日よかった話は顧客の資金調達で銀行からタームシートが出たこと、悪かった話はその金利が13.5%だったこと」。メザニーンローン並みです。13.5%の金利を払い、元本返済をするには以前12%で借りた私が自信をもって言いますが、ビジネスの規模にもよりますが、最大3年以内がリミットです。

パウエル議長もインフレ潰しに躍起なのですが、経済の火も消してしまうのか、ぎりぎりのところにいる感じがします。カナダの銀行の定期預金利息は年5.15%。ならば株の配当は8%はないとリスク見合いになりません。その為、株価は配当率がその水準になるよう調整するわけで銀行株を含め、いわゆる配当株は下げざるを得ないのが北米の状況です。日本とはまるで景色は違うのがお分かりいただけるでしょう。

原発処理水問題、日本人が魚を爆食いできるチャンス

原発処理水の海洋放出が始まりました。報道では現地漁港で働く方々の心配そうな声を繰り返し報じており、セロトニンが少ない日本人の弱点が見事に出てしまっています。

「風評被害」があるかどうかわからないのに風評被害があるのだと思い込んでしまっているのです。またセリの価格が〇%下がっていると競うように報じる一方、福島の漁港での海洋放出後の初日のセリはいつもより1割ぐらい高値がついていました。それを報じるとつじつまが合わないのでそれにはあまり触れないわけです。

中国が日本の鮮魚と水産加工物の全面輸禁に打って出ました。これは完全に政治的判断で中国外交部からすれば「日本は中国の言うことを聞かないから懲らしめてやる」です。

しかし、日本は中国の華夷思想には影響を受けないし、冊封関係もありません。つまり中国が勝手に自分たちが偉いと思いこんで「小日本」をバカにしている極めて屈辱的な話です。ならば「中国では永遠に日本の魚は食べさせない。食べたきゃ日本においで」というスタンスでよいのでしょう。

漁業関係者からは「中国向けが売れなくなって売り上げが激減した。だから政府が保証せよ」という声も上がっています。個人的にはそれは甘えだと思います。皆さん、中国のことをよく思っていないのに魚を売る時だけは「お客様は神様です」は都合が良すぎます。

ビジネスをしている人たちは常にリスクと背中合わせでそれを回避するために必死の努力をしているのです。今回の中国の行動もある程度は予想できたわけです。なのでまずは日本人の魚介類の消費を回復させ、うまそうに魚を食べるシーンを皆で見せつける行動からスタートしましょう。

処理された水を貯めているタンク NHKより

エンジェルスが弱い理由

大谷翔平選手のいるエンジェルスはア・リーグ西地区で現在61勝67敗。地区優勝の芽はまずありません。というより私はそこまで野球通ではないですが、見ていて「弱い」の一言。なぜ弱いのか、私は多くの解説者が論じる様々な点とは全く違った理由だと考えています。

それは大谷翔平選手がいるからです。投打で活躍し、彼に人気が集中するため、他の選手が腐る、それが理由でチームとしての活性度は低くなる、それだけの話です。

例えばある会社で作業チーム9名が組成され、その中の一人がダントツに出来るとします。彼(彼女)の発想は素晴らしく、行動力、実行力も伴い、圧倒する成果を出したとします。すると残る8人はアイディアすら出すことを止めます。なぜならそのダントツのリーダーに勝つことは出来ないからです。

つまりスポーツや作業チーム全てそうなのですが、その勝負の相手とは対外的な売り上げや勝利数だけではなく、チームが一丸となれるかどうかにかかっているわけです。

今回、大谷選手は靭帯損傷で今季の投手は終わり。バッターもしばし様子を見る、の判断になりました。オフ後のフリーエージェントの影響とは金銭的問題でしょう。

それよりもエンジェルスのオーナーの損失はもっと大きいと思います。目先の稼ぎのために彼を酷使し、壊してしまい、チームもダメ。野球運営も会社経営も同じなのです。一人の人間ができる限界はあります。そういう意味ではエンジェルスのフロントは最低のマネージメントだったと私は思います。

後記
先週お伝えしたアニメイベントは結局どうなったかといえば昨年より売り上げは微増。ただ非常に大きな手ごたえがありました。3日間、参加者は回遊魚状態になり5-6回ぐらい来る人もいる中、ディスプレイを変え、出さなかった商品を日替わりで押し出すことで「あれっ、こんなのあったんだ」状態を作り出し、まんべんなく在庫がはけました。初日に全部出すと売れ線だけが消え、あとはカスになって勢いが止まるのが一番怖かったのです。昨年がそうでした。今年は3日間尻上がりに売り上げが伸びた、これは私たちの大勝利です。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年8月26日の記事より転載させていただきました。