秋篠宮家の攻撃を集大成した学習院卒業生の勘違い

八幡 和郎

今朝も紹介したダイヤモンド・オンラインの記事では、進学先について論じたが、もうひとつ、このところ秋篠宮皇嗣家に対する攻撃を繰り返している、藤澤志穂子氏の「学習院と皇族女子」(新潮新書)についても論じている。

このなかで、藤澤氏は「やはり天皇家と秋篠宮家ではまったく違う」「皇族を支える周囲の気遣いは並大抵ではありません。あえて対比すれば、秋篠宮家はそれらを当たり前の特権として享受し、さらなる自由を主張されている。一方で、現在の天皇家は、それらに感謝して、国民のために立場をふまえて行動されている」「批判が集中してしまう理由を掘り下げたときにたどり着いたのはノブレス・オブリージュだ」とおっしゃっている。

ノブレス・オブリージュについて藤澤氏は、恵まれた立場に感謝し謙虚でなければならないとか、社会貢献をしてそれを学習院の同窓会の機関誌に寄稿して宣伝するべきだとか(世の中に自分の善行を知らずのに、皇族が同窓会の機関誌など使うべきでないと思うが)すべきだとかいうような、本来の意味から離れた捉え方がされている。

だが本来の意味は、国家のために率先して無私の行動をもって尽くすといったことだ。このことはむしろ、秋篠宮家が高い自覚をお持ちであるとして褒めるのに使われてきた。というより、雅子さまが外交関係などの仕事を優先させたいと仰っているのにそれができないのは、人格否定だと当時の皇太子殿下が仰ったときに、秋篠宮殿下が公務のえり好みにするべきでないと仰ったことがある。

宮内庁HPより

現在ももっとも大事な単独公務について、愛子さまはいろいろお考えがあるのだろうが、学業優先として21歳になっても開始されていないのに対し、眞子さまは17歳、佳子さまは19歳から始められている。

両陛下は、皇族としての立場だけでなく、個人としての生活や関心事項も尊重すべきだというお考えなのであるから、この比較はまことにおかしい。

藤澤志穂子氏の著書には、噂だと断りつつも、秋篠宮殿下が成績不振だったから内部進学の基準が甘くなったという風説が紹介されている。私は陛下より9歳年長なので、子どもの時から、学習院関係者が、美智子妃殿下(当時)への反感から見て来たような誹謗をしたり、その子どもだからといって浩宮・礼宮両殿下のお二人の成績や素行について怪しげな陰口を話していたのをよく憶えている。

これも両殿下の学力を揶揄した悪質な風説なのだが、そのうち、都市伝説だろうといいつつ、秋篠宮殿下の分だけ紹介して、兄弟で差があるようにいうのはいかがなものか。

さらに、紀子さまの父親が学習院大学教授で職員住宅に住んでいたことについて、「家賃は相場より格安、かつ教職員の子女が学習院に通う場合、学費は半額だったと聞きます」と書いているのは、学習院OGたちが何かと言えば、皇嗣妃殿下についてそんなことばかりいっている様子が窺える。

藤澤氏は紀子さまより一年後輩だそうだが、このあたりの女子学生にとっては、家族や富豪でなく教官の娘である川島紀子さまが秋篠宮妃の地位をゲットしたのが口惜しかったのだろうということは想像できる。たださすがに、それをまとめて本にしたりすることはなかった。

また、佳子さまが学習院大学文学部教育学科に半年だけ通って退学し、ICUを再受験されたことについて、ICU再受験を前提にステルス入学をして受験準備をしたというように書いて、これをノブレス・オブリージュに反するといっているが、半年間、通われた後に再受験をするために退学されており、事実でない。

藤澤志穂子氏は学習院で学ぶとノーブレス・オブリージュが身につくと強調しているのだが、まったくそのようなものは身につかないことを宣伝しているようなものというべきだ。