スマホは何年で買い換えるべき?

黒坂岳央です。

ニューズドテックが2022年8月に発表した「スマホの買い替え期間調査アンケート」によると、スマホの買い替えの声が見られた。その理由の57.1%が「スマホが高騰したから」で、「今のスマホで満足」が46.4%で2位。52.0%が「買い替えの予定なし」と回答している。近年、かつてと比べてスマホの買い替えサイクルは低下しているようだ。

今月iPhone15の発売が期待されている。最も高い機種は驚きの30万円超という予測もあるものの、接続端子がついにUSB-Cになるということで大きな注目を集めている。買い替える人はどのくらい現れるだろうか?

スマホは何年で買い替えるのが良いのだろうか?を考えたい。

Uladzimir Zuyeu/iStock

自分がスマホの買い替えない理由

昨今、スマホの性能進歩は目を見張るものがある。昔は一眼レフとビデオカメラを持っていた筆者もiPhoneに一本化した。正直、画質では敵わないのだが、iPhoneは人の目にきれいに見えるように補正される上、複数のカメラをポケットサイズに集約できる利便性には敵わなかった。

自分は複数のアカウントでYouTube動画を配信している立場なので、時には1日で4時間くらいの4K画質による動画撮影を行うことがある。その他、原稿の音声入力やビジネスの商談の録音、お問い合わせ返信などにも活躍してくれ、もうスマホがないと仕事が成り立たないほど毎日使い続っている。

根っからの新しいガジェット好きであり、スマホが消耗したらすぐにでも買い替えたいと思いながら、でも2020年から買い替えずに使ってきた。なぜなら未だにバッテリーの消耗もほとんど感じず、毎年新機種が出ると細かく性能をチェックしているが、「今すぐ買い替えたい」と思えるほど新しい機種との性能差を感じなかったからだ。

毎年、新機種を見送っているうちにとうとう3年間が過ぎてしまった。以前は毎年、早ければ半年ごとに新機種を買っていたのでこんなに長持ちしたのは初めてである。

最近のスマホは省電力性能の向上とバッテリーの大容量化で長く使える上に、新機種性能向上も頭打ちになっていると感じる。

「いいものが出たら積極的買い替えたい!」と筆者のようにガジェット好きなユーザーでも、買い替える理由を見つけづらくなっているのかもしれない。

プロカメラマンも「スマホで撮影」

また、スマホを仕事に使っているのは筆者だけではない。

先月地上波テレビ番組の収録があった。当日は6時間ほど撮影があったのだが、その際にニュースなどでよく見るようなバズーカ砲と思えるほど大きなビデオカメラを向けられる中、その中の一人のカメラクルーはiPhoneとGoProを使っていたのだ。

驚いて質問をすると「最近のiPhoneはとても画質がきれいなので、大型カメラが持ち込みにくい場所では結構使ってますね」と答えてくれた。テレビ出演をするのは今回で4度目だが、iPhoneを使った撮影は初めてだった。

スマホは個人のもの、会社支給でメールやビジネスチャットツールのもの、というイメージがあったのだが、テレビ番組収録でも使われるようになっている。そのくらい動画や写真性能は大きく向上している。

同時に、ここ数年は画質はあまり大きな変化がない。2017年9月、今から6年も前に発売され、未だに中古市場で人気のiPhone8は4K画質の60FPSで録画性能を有している。iPhone14も4K画質の60FPSの録画ができる点では同じである(シネマティックモードなどさらに録画機能は向上しているが)。

スマホの買い替えをするべきタイミング

以上のことから、スマホは昔のように1-2年で買い替えをするものではなくなっているようだ。結論的にスマホの買い替えをするべきタイミングは大体3年位になるのではないだろうか。逆に買い替えの必要性が生じるのは次のようなものだろう。

1つ目はバッテリーが消耗したタイミングである。古い機種をモバイルバッテリーに繋げながら使用している人もいるが、大きく利便性を損なうので最近機種へ買い替えるのが良いだろう。

次はソフトウェアのセキュリティである。古い機種はセキュリティ更新ができなくなってしまうと、そこからデータ流出やウイルス感染などのリスクが生じる。銀行や証券口座のパスワードが抜かれるとなれば、スマホの買い替え代どころではないコストを払うことになってしまう。これはすぐに買い替えるべきだろう。

最後は新機種性能に魅了されたタイミングだ。筆者がiPhone15を買い替えるのは、充電コネクタをUSB-Cに統一できる点である。「たかが充電コネクタが理由で?」と感じる人もいるかもしれないが、iPhoneが充電コネクタを更新したのは2012年のライトニングケーブルが最後で、10年ごしのアップデートとなる。iMacやiPadなどとコネクタ統一ができれば、充電ケーブルを一本化でき、仕事の効率化は進む。ケーブルのデータ転送速度が早ければさらにメリットが大きい。

スマホは多くの人にとってなくてはならないデバイスである。昔は日進月歩の速度で素人にもわかるレベルに大幅性能アップが実現したので、買い替えサイクルも短かった。しかし最近は買い替えサイクルも長くなってきているのだ。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。