「人的資本」を使いきらないのは勿体ない

Olivier Le Moal/iStock

人的資本とは、人間の持つ無形の能力を経済価値を生み出す資本として捉える考え方です。

定期的な収入を働いて稼げる人は、金融商品に例えれば債券のようなものだと考えることができます。

例えば、年収500万円の人は、利回り5%の1億円の債券と同じ経済的価値があるというわけです。

スキルアップして人的資本の価値を高めれば、より大きな安定収入を得ることができます。人的資本に2倍の2億円の価値があれば、年収も2倍の1000万円にアップします。これは、多くの人が考えている収入アップの方法です。

しかし、この人的資本を自分が働いて稼ぐためだけに活用するのは勿体ないと思います。

人的資本という信用力を活用して、低コストで資金調達することができるからです。

金融資産や不動産を保有している人は、それを担保にお金を借りることができます。それと同じように人的資本に価値が認められれば、金融機関から低利でお金を借りることができます。

人的資本は借り入れの担保にもなるのです。

だから人的資本を自分の稼ぎ力を高めるだけではなく、お金を借りる力を高めるのにも使い、二重取りすべきなのです。

私は、30代半ばまで人的資本の蓄積に注力し、35歳でマネックス証券の創業期に参画。ネット証券で金融資本を蓄積してから独立。その後人的資本を固定資本の購入に活用することで固定資本の拡大を実現し、現在に至っています。

9月21日に開催するZUUオンラインのセミナーでは、金融資本、固定資本、人的資本の3つを使って、経済価値を最大化する戦略についてお話します。

それぞれをバラバラに使うのではなく、人的資本を使って固定資本を手に入れるといったシナジーが得られることをもっと多くの人に知ってほしいと思います。

人的資本を有効に使いきっていない「勿体ない人たち」の参加をお待ちしています。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年9月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。