刷新性が無く、支持率アップに結び付かなかった岸田首相の内閣改造でしたが、一部界隈から新内閣でも「ロシア経済分野協力担当相」のポストが存続していることに批判が集まっています。
北海道新聞によると、岸田首相が「ロシア経済協力相」を存続させている理由は、1)ロシアからのエネルギー供給が停止されること、2)領土交渉の進展に悪影響が出ることを恐れているからだそうです。
Japan’s govt has decided to retain the cabinet position of Minister for Economic Cooperation with Russia. Despite the reshuffle, this post continues to be held by METI Minister Nishimura.
Japan is concerned that, if they eliminate the position, RU might retaliate by disrupting…— James D.J. Brown (@JamesDJBrown) September 14, 2023
日本政府は、対ロシア経済協力担当大臣の閣僚ポストを維持することを決定した。内閣改造にもかかわらず、このポストは引き続き西村経済産業大臣が務めている。 日本は、もしこのポストを廃止すれば、ロシアがLNG供給を中断させることで報復するかもしれないと懸念している。また、ある日本外交筋は、「このポストの廃止は、領土交渉に対する日本の姿勢の後退と受け取られかねない」と語っている。
ロシアは憲法で領土の割譲を禁止しており、西側諸国の対ロシア経済制裁に参加した日本を非友好国として認定しています。そのような状況下でロシアと領土交渉を出来ると日本政府は本気で思っているのでしょうか?
先日の番組で鈴木宗男さんが、「ロシアへの制裁をやめれば北方領領土が返ってくる!(可能性がある?)」と仰ってましたが、ロシアは2020年の憲法改正で「領土の割譲を禁止する」という項目がハッキリと明記されたので、それはあり得ないことはお伝えしておきたい。
返還を検討する時点で違憲なんです。
— 小原ブラス (@kobaravlas) February 26, 2023
ロシアのプーチン大統領は26日までに、9月3日を「軍国主義日本に対する勝利と第2次大戦終結の日」と定める法案に署名し、成立させました。対ロシア制裁を発動した「非友好国」日本への対抗措置とされています。https://t.co/IP3ZhV1qXy
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) June 26, 2023
ロシア経済協力相の存続は野党からも批判されています。ロシアへの経済制裁を担当している大臣が同ポストを兼任していることが矛盾していると指摘する野田元首相の指摘は妥当なものです。この矛盾が放置されることは他国から日本外交が「二枚舌」であるという批判を呼び起こす可能性があります。
朝日◆「ロシア経済協力相」是非めぐり迫る野田氏 首相は廃止に慎重姿勢 https://t.co/J3LfJtaNvc 「立憲民主党の野田佳彦氏は「実務もないのに、なぜ大臣を置き続けるのか」と質問。経済制裁を担当する経済産業相が兼務していることの矛盾も指摘した」※制裁担当が経済協力も兼務!?日本無茶苦茶!
— deepthroat (@gloomynews) February 8, 2023
ロシアとの経済協力を通して北方領土を取り戻すという安倍政権の戦略は失敗に終わりました。しかし、日本政府はその総括を行っている様子がありません。
対ロシア経済協力に6年間で200億円投入…「無駄だった」と官庁幹部 北方領土交渉は停止 https://t.co/A4XyDGAACT
— sparkle H. (@sparkle_h14) June 25, 2023
「ロシア経済協力担当大臣」って、岸田改造内閣でも廃止されてないし、西村康稔氏とか萩生田光一氏とか世耕弘成氏とか大臣経験者もいっぱいいるし、そもそも政府として対露外交を何にも総括してないし、陰謀論者とか反米主義者とかより何よりまずそっちだろ、って思うのは何か変なのかなあ
— Y (@kirihandsome) September 15, 2023
日本がウクライナ支援を行っている以上、日露経済協力の進展は見込めず、外交で北方領土が帰ってくることはありません。外交手腕に自信があるとされる岸田首相ですが、「ロシア経済協力相」が存続する限りはその手腕には信用が持てません。
昨日(9月13日)の会見で外相交代について問われた際の岸田総理の返答。岸田研究や日本外交における官邸と外務省の関係について、後々まで引用されることになりそう。外相よりも総理自ら外交を引っ張る。今年のG7外相会合と首脳会合の関係からも明らかだったものの、改めて総理の口から。 pic.twitter.com/OZgswSszFp
— Michito Tsuruoka / 鶴岡路人 (@MichitoTsuruoka) September 13, 2023