ファスティングで太り、チートデイで痩せる「人体のパラドックス」

私は白米ダイエットと呼ばれるウェイトコントロール方法を元プロボクシング世界チャンピョンの木村さんに教えてもらい、2年近く続けています。

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これは、白米を使った糖質の摂取を積極的に行うと同時に、動物性の脂質を抑える方法で、毎食白米を食べ続けているのに体重は極めて安定しています。

さらに、最近はチートデイと称して、思い切って食事の量を増やし、お昼から中華料理などをたっぷり食べたりすることがありますが、なぜかむしろ体重が減ったりして驚いています。

もちろんチートデイでお腹いっぱい食べると、翌日には体重が2キロ近く増えます。

ところが不思議なことに、通常の食生活に戻すと体重がすぐに元に戻り、更にチートデイの前よりも減少することもあるのです。

体重を減らすためにファスティング(断食)をしている人がいますが、私は懐疑的です。

ファスティングをすれば、確かに短期的に体重は減ります。しかし、それは単に水分が減っただけ。普通の食生活に戻れば体重も元に戻ってしまいます。

それよりも食事の摂取量が減ると筋肉が落ちてしまい、基礎代謝が下がり、逆に太りやすい体になるデメリットの方が大きいのです。

さらに過剰なファスティングをすると、骨が脆くなったり、健康に有害と言われています。

まだ科学的に証明されたわけでは無いようですが、チートデイを定期的に作って糖質を意識的に多く摂取することで体が痩せやすくなり、ダイエットに効果的という説もトレーニングの専門家の間で広がってきています。

もともと、チートデイとは「ズルをする日」という意味で、ストイックな食生活のたまの息抜きとして、考えられていました。そんなチートデイが、実はダイエットになるとは・・・。

なんだかとてもパラドキシカル(逆説的)な状況です。

食べる量を我慢して減らせば、体が節約モードになって太りやすくなる。逆に食べる量を増やせば、代謝が上がり痩せやすくなる。

人間の体とは、機械のように計算通りに変化しないのです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年10月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。