維新が「緊急経済対策」を政府に提案すると発表しました。その目玉は、社会保険料を低所得者は半減、それ以外は3割減という大胆な案です。
維新の緊急経済対策案、10兆円規模で社会保険料の減免が柱…「減税より時間かからず効果的」 : 読売新聞オンライン https://t.co/RpfbWTcCMK
— おときた駿(日本維新の会 政調会長・衆議院東京1区支部長) (@otokita) October 17, 2023
維新さまから、またなんか夢のようなプランが出て来たぞw
日本維新の会の経済対策、低所得者の社会保険料を半減 – 日本経済新聞 https://t.co/ejgrF9uHQm… pic.twitter.com/FXdyIUU9c8
— ねこZ3 (@NecoZi3) October 17, 2023
しかし創業者の橋下徹さんから疑問の声。
「社会保険料を半減もしくは3割減へ」維新が経済対策をまとめる 近く政府に申し入れ(テレビ朝日系(ANN))https://t.co/dy9kO1gW0N
➡ 財政出動するならしっかりと使い道を決めてやればいいが、税を使って保険料の減免?これは一時的な経済対策なのか、恒久的なものなのか。…— 橋下徹 (@hashimoto_lo) October 18, 2023
日本の社会保険料は総額78兆円なので、その3割引だけで23兆円。「低所得者」の基準は「住民税非課税世帯」なので1600万世帯。国民年金保険料は年額20万円、国民健康保険料は19万円なので、合計39万円×1600万世帯=6.2兆円。それを半額にすると、3.1兆円の減税になります。
これを全世帯の3割引と足すと減免額は約25兆円。ところが、なぜか維新の案は「10兆円規模の経済対策」。計算が合いません。
ここでも言ったように、維新の社会保険料引き下げ案は25兆円の財政赤字を生み出す。他の給付金などと合わせて総額は35兆円だ。維新は大きな計算違いをしている。 https://t.co/oYiQydaCMb
— 池田信夫 (@ikedanob) October 18, 2023
おまけに社会保障の財源になっている消費税を8%に下げるという。この財源は、どこから出てくるんでしょうか。専門家からも疑問が出ています。
社会保険料の軽減は基本路線として賛成できますが、問題はその財源ですね。給付削減であれば高齢者の医療費自己負担3割化(現役世代と平等化)、税財源と考えれば後期高齢への支援金を税(消費税)化して、現役世代の保険料をその分下げる等。トータルでの負担変化をどこまで許容するか。 https://t.co/4YuPmEaqgk
— 中田大悟 NAKATA Daigo (@dig_nkt_v2) October 17, 2023
たぶん維新(というか音喜多政調会長)が、政府支出の意味をよく知らないんだと思います。78兆円の社会保険料を3割減免して5.7兆円とは、どういう計算でしょうか。
なんか勘違いしてるね。社会保険料は77.5兆円だよ。その3割減免で5.7兆円とは、どういう計算? https://t.co/0DN4ukyfzL
— 池田信夫 (@ikedanob) October 18, 2023
どうやら「半年だけ減免して来年4月に元に戻す」というアクロバティックな案らしい。
時限的なら来年4月から元に戻すことを国民に説明し、そのような仕組みにしなければなりませんね。しかし、一度3割、5割も引き下げた保険料を半年後に元に戻せますか?そんな力が日本の政治にあれば日本はもっと活力が漲っているでしょう。保険料を上げることがどれだけ大変か。いずれにせよ、来年4月…
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) October 18, 2023
それでも社会保険料という言葉が政党の政策案に出てきただけましかもしれない。
自民「社会保険料?しらないな~」
公明「社会保険料?しらないな~」
立憲「社会保険料?しらないな~」
国民「社会保険料?しらないな~」
共産「社会保険料?しらないな~」維新「社会保険料軽減しようぜ」←えらい!! https://t.co/ooYzxeke9F
— 魏徴X (@GICHOGI) October 18, 2023
今まで与野党ともに社会保険料に手をつけなかったのは、それにふれると財源論が出てきて、後期高齢者医療の1割負担などの老人優遇の見直しになるからです。維新のように財源論をスルーするなら気楽なものですが、政策としては成り立たない。
どっちみち今回の案が実現する見通しはないので、社会保険料の減免は撤回し、維新の幹部は社会保障の勉強をしたほうがいいと思います。