日本人はインテリア雑誌やInstagramなどを見て、欧州の人々の家の中がやたらと片付いていてオシャレなインテリアになっているのに気がつくと思います。
以下は私の著書である「世界のニュースを日本人は何も知らない4」の抜粋ですが、海外の人々の言葉を真に受けてはなりません。海外の人々はマウンティングが命だという事をよく理解しておかなければなりません。
もちろんセンスが悪い家というのも存在するわけですが、そういう家はもともとインテリア雑誌には登場しませんし、ネットで私生活を垂れ流しません。
しかし、欧州の人々がやたらと自分の部屋の中をきれいに整え、おしゃれにして他人に見せびらかすのには大きな理由があります。
それは部屋の中をすっきりしたインテリアにすることで、自分にはそれだけの財力とセンスがあるということをマウンティングするためです。もちろん、日本にもそういうマウンティングがあるわけですが、欧州ではその規模と頻度が、日本では想像できないほど凄まじいのです。わざわざ家の中を見せるために、子供の同級生の親とか会社の人を家に呼んで、バーベキュー大会とかホームパーティをやります。
こういうイベントは社交目的もありますが、基本的に自分の家の中を見せびらかして、「あたしはこんなにおしゃれ」「俺はこんなに金がある」「お前らより上」という、際限のないマウンティングを行うためなのです。
ですから、勘違いした日本人が、調子に乗って現地の人間をダサいインテリアの家に招き、一生懸命すき焼きや焼き肉を振る舞っておもてなしをするわけですが、彼らからすると食べているものはどうでもよく、見ているものはインテリアのセンスや家具の値段、そして物件の価格なのです。
そして「ああ。やっぱり東洋人はダサい」と思うのですが、「とてもユニークなヘヤですね」とか言って、出された日本食に手を付けずに帰っていきます。
これを見てこの人間と付き合うのかどうかということをよく見ているわけです。
このオシャレ度の審査は、イタリアやフランス、スペインなどは、イギリスやドイツよりもはるかに厳しく、「あの家はダサかった」と延々とネタにされるので注意が必要です。
さらに家に招待をしないと「あいつは人を家に招き入れないほど小さくてダサい家に住んでいる」という判断をされてしまいます。住んでいる所に対する評価が、日本よりも凄まじく厳しいわけです。
このように人を家に招いてマウンティングするのが常態化していますから、何がどこにあるかを把握できるように、常に家の中は整理整頓しておかないと困ったことになります。
やってくる客は、上の階に上がったり、寝室までも見ていきますから、手グセの悪い子供が来たりすると家の中のものを盗まれることがあります。
ですから家の中のものは整理しておいて、貴重品は鍵がかかる部屋にぶち込んでおかなければダメです。コレクターズアイテムなど置いておいたら、サッと持っていかれてしまうことがあります。
被害にあっても客が悪いのではなく、管理しない自分のほうが悪いと言われて終わりなのです。