花粉症の舌下免疫療法ができない想定外の理由

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子供の頃からアレルギー体質で、社会人になってからは花粉症に悩まされてきました。

今までは、春先のスギ花粉のシーズンに抗アレルギー薬を飲んでやり過ごしていました。今年になって、舌下免疫療法が有効だというのを聞いて、やってみることにしました。

これは、毎日舌の下に薬を含んで、数年続けることで寛解を目指す治療法で、注射のような負荷が無いのがメリットです。

早速、クリニックに行ってアレルギーの血液検査を受けたのですが、想定外の状況に気が付きました。

それは、スギ花粉症の舌下免疫療法「シダキュア」のスターターキットが全国的に不足しているため、治療を開始できないことです。

花粉症シーズンの春先は、治療開始ができません。このまま年末まで薬不足が解消されないと、少なくとも来年の夏まで治療ができないことになってしまいます。

少し調べてみると、この薬の在庫不足と言うのは、花粉症の治療薬に限らず、広範囲の薬に広がっているようです。

そのきっかけとなったのは、どうやら福井県にあるジェネリック製薬会社の不祥事がきっかけのようです。

ずさんな製造管理が問題となり、行政処分などにより製造ができなくなる会社が続出し、シダキュアに限らず、市場に出回る薬の量が不十分になってしまったのです。

花粉症の治療であれば我慢できますが、もっと深刻な病気に必要な薬が不足しているなら大問題です。

世界一充実しているといわれる日本の医療制度ですが、その「終わりのはじまり」なのか?そう思ってしまうのは、日本の将来に悲観的な私の考えすぎでしょうか?


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。