ご縁の切れ目で見えてしまう「人間の度量」

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会社を退職したり、今までメンバーだった会員組織から退会したりと、続いていた関係が終了する引き際があります。

そんなタイミングで去っていく人に対し、どのような対応をするか。それによって「人間の度量」が見えてしまうことがあります。

私が以前勤務していた外資系の会社では、退職することになって、業務の引き継ぎを行っていたのですが、引き継ぎの手続きが終わった瞬間、上司の態度が急変しました。

それまでは、表面的には友好的な対応をしていたのですが、突然手のひらを返したように、冷淡な対応に変わりました。

会社に残された荷物をその日に全部自分で持ち出すように指示され、残ったものは全て廃棄されることになりました。会社から着払いで荷物を送ってもらうように依頼しても拒否。

あまりの露骨な豹変ぶりに、怒りを通り越して呆れてしまったのを覚えています。

会員組織のメンバーから退会する時も、それぞれで異なる対応がありました。

金の切れ目が縁の切れ目とばかりに、退会した瞬間、今まで仲良くしていたのに全く素っ気なくなってしまう。そんな露骨な人もいて、なんだかがっかりです。

一方で、退会した後も、それまでと変わらない自然なお付き合いをしてくれる人もいます。

人間の度量は、平常時には見えないものですが、続いていた関係が変わるようなタイミングで時に表に出てきます。

手のひら返しの対応をする人たちとは、二度と付き合おうとは思いません。しかし、会社をやめたり会員組織を離れたりしても、変わらぬ対応をしてくれる人とは、いつかどこかでまたご縁が生まれるものです。

目先の損得で対応を露骨に変えるような人には、将来手痛いしっぺ返しが待っているはずです。悪い評判が噂になって広がることになりますし、そもそもそのような人格的に問題のある人が運営する組織には、長期的には人が離れていくからです。

そもそも、そんな露骨な対応は、やっている本人も情けなく気分の良いものではないはずです。

私が主宰しているインナーサークル資産設計実践会も継続受講せず、休会や退会していく人がいます。

そのような人に対して、急に塩対応するのではなく、今までと変わらず友好的な関係を続けています。

ご縁の切れ目で度量の小さい小物であることが露呈するような恰好悪い人間には、なりたくないものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年11月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。