根回しの重要性と会社でのスキルアップのコツ

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つねにビジネスの環境は変化しています。不安定な時代を勝ち抜くためには、常識的なことや思い込みの壁を取り払わなくてはいけません。

会社をうまく利用することの意味

年収1000万円を超えたあたりから錯覚をするビジネスパーソンが増えてきます。自分は人生の勝ち組で、何でもできると錯覚するようになるのです。しかし、すべてのことを完璧にこなすことなどできません。

あなたが、トップ営業マンだと仮定します。営業スキルは秀逸でも、経理や購買の仕事ができるわけではありません。いまの会社にいる限り、ほかの業務を覚える必要はないでしょう。しかし、独立や他業務への転身をはかる場合はそうはいきません。

営業スキルをベースとして活かしながら、経理や購買はもとより、管理、総務などすべての実務をこなさなければならなりません。これは、完璧にこなすという意味ではなく、相応の知識やスキルを有しておく必要があるということです。

そう考えれば、会社にいる間に、他のスキルを学んでおくことが得策といえます。わからないことがあれば、他部門のエキスパートに聞けばいいのです。会社には、多くの部署があり、その分野の専門家が所属しています。会社を辞めてから同じことを学ぼうとすれば、大変なコストがかかってしまうでしょう。

経理の業務があります。独立してからは税理士に依頼しなければいけません。しかし、社内には税理士クラスの専門性を有している社員がいるはずです。そのような社員に指導してもらったらどうでしょうか。税理士にお金を払って教えてもらっていることと同じです。

根回しは必要コストと考える

社員にはそれぞれ抱えている業務があります。このような依頼をする場合は、日頃の人間関係が大切です。わかりやすく言えば、「根回し」が大切だということです。

優秀なビジネスパーソンには、根回しが上手で用意周到です。有名なエピソードとして、日露戦争の際、伊藤博文が、ルーズベルトの元に同級生を向かわせて、仲介の「根回し」をした話があります。国際的な紛争の場においても根回しは効果的なのです。

根回しの手間や労力は必要コストです。世の中に、完全にオープンで公平なものなど存在しません。もし、根回しを拒否されたら、まだ機が熟していないことを意味します。根回し可能なら、あとは流れに任せてしまうこと。巻き込んでしまえばいずれ吉報が届くでしょう。