上司との関係改善?そのヒントは“ことわざ”にある

あなたは上司とウマが合いませんでした。毎日のように叱られて、精神的にもかなりしんどい思いをしています。「ちくしょう。なんで、俺ばかりがこんな目に!」。さらに、オーバーワークでミスを連発。上司は怒り狂い、同僚や部下の冷たい視線がつらすぎます。

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まずは相手のスタイルを理解する

私の場合、初めての人と関わる際には共通項を見つけるようにしています。年齢、誕生日、星座、血液型、なんでもいいのです。共通項があればそこから拡げることができるからです。

活躍する人ほどコミュニケーションが巧みで、人心掌握術にたけているものです。人間関係はスキルだけではどうにもなりません。研修会社が提供しているスキル研修は対処療法です。上司との関係性が悪くなった場合、そこに行き着くまでのプロセスがあります。そのプロセスを理解せずに、表面的な対処療法では本質的な解決にはならないでしょう。

それよりも、相手が持っている普遍的な情報(年齢、誕生日、星座、血液型)から導き出される要件の方が意味を持ちます。研修やコーチングでは表面上のスキルや枝葉部分だけが注視されていますが、あまり意味を持ちません。

華僑では運気の考え方が日常に入り込んでいます。エグゼクティブは運気を施す方法にコストをかけています。それらは手段や方法論ですが、人生訓、生きていく上での哲学を表しています。長い歴史の中で蓄積されてきた、幸せになるための教訓です。

日本人の特性から見えてくるもの

日本人は昔から縁起を大切にする民族です。大安に結婚式を挙げたり、葬儀は友引を避けるなど、このような考え方が生活に密着しています。縁起といえば、ことわざも忘れてはいけない存在です。努力をせずに幸運にありつきたい人間の本音を表しているものがあります。

思いがけない幸運に巡り合う意味として、「棚からぼた餅」ということわざがあります。棚から牡丹餅が落ちてきたという意味で幸運を意味しますが、同じような意味のものに、「海老で鯛を釣る」「果報は寝て待て」などがあります。中国には守株待兎ということわざがあります。株を守ってウサギを待つという、牡丹餅がウサギに変わった意味になります。

農夫が狩猟もせずに休んでいたところ、ウサギが切り株にぶつかり努力をせずにウサギを仕留められたというものです。この話にはオチがあります。翌日も農夫はウサギがぶつかることを期待して何もせずに待っていました。1カ月が過ぎたころ、農夫はウサギを得ることができないどころか、自分の田畑も荒廃させてしまいました。

本来、やるべき仕事を放棄してはいけないという戒めのことわざです。

オチを正しく理解する

「棚から牡丹餅」も、牡丹餅が落ちてくるのを待っていても何も落ちてきません。「海老で鯛を釣る」は、少しの投資で大きな利益を得ることですが簡単ではありません。

「果報は寝て待て」も、寝ていたら果報が来るのではなく、全てをやりきったらあとは寝て待ちなさいという意味です。ことわざにはちゃんと「オチ」があることを考えましょう。ことわざの考え方は私たちにとって、ヒントを与えているのです。