日本が誇るグルメの極み!京橋駅付近の老舗グランメゾン:シェ・イノ

出口 里佐

出口里佐です。

先週は、友人と、地下鉄銀座線京橋駅近くのシェ・イノで、ランチ。1ヶ月半前から予約の電話で、手島シェフに特別料理をお願いしていました。

シェ・イノのエントランス。アールデコのステンドグラスの扉、アールヌーボーのひさしがパリの様

シェ・イノと言えば、仔羊の中にフォアグラを入れたパイ包みに、オペラ歌手マリア・カラスの名前を付けたお料理、仔羊のパイ包み焼き’マリアカラス風’ソースペリグーで有名です。

それに近い料理で、パイ生地の中にジビエの肉をフォアグラと詰めて焼き、手島シェフの赤ワインソースが添えられた料理、ピティビエを、2019年10月下旬、函館での世界料理学会前夜祭、確か6人くらいのシェフ達のコラボレーションディナーのメインで初めていただき、こんなに美味しい料理があるのだ!と感動しました。偶然、その約1週間後に、同じ料理をスブリム(現在はラルジャン)加藤シェフと手島シェフのコラボイベントでいただき、忘れられない料理となりました。

次は、手島シェフが料理長の和歌山のレストラン、オテル・ド・ヨシノに行って、あのピティビエをまた食べたいものだと思っているうちに、何年も過ぎていました。そして、昨年2022年後半にシェ・イノにいらしたと聞き、年末近くに行って来ましたが、マリア・カラス以外のパイ包みメニューは見当たらず、帰り際にシェフにお尋ねしましたら、予約の際にリクエストしてくれれば、作ることは可能とおっしゃっていました。

それでは次回は、ピテビィエを予約して来ようと思って、気が付くと時間が10カ月も過ぎていました。年を取ると時間が経つのが早く感じます。

そして、先週ようやく4年振りにありつくことが出来ました。美しく焼かれたパイの下には、デュクセル、ジビエ鴨、フォアグラ、鹿。パイの模様もおいしそうです。

焼きたてで、持って来てくださったので、とても美味しくいただきました。最初量的に少し大きいかなと思いましたが、私も友人も全然問題無く完食しました。特に最初に口にした鴨のお肉は、マリネに使った、ブランデー、赤ワイン、ポルト酒に良い具合に浸かっていて、香りを放ち、しかし野生の力強さを感じる味わいで、大げさでも何でもなく、脳内で花火が上がったような感覚でした。

メニューにない料理を頼むのは、図々しいような気がして、ちょっと申し訳なかったですが、快く引き受けてくださって、シェフにとても感謝しています。この日のランチはこれからもずっと覚えていると思います。

1週間くらい前に予約時にお願いしたら、また作ってくださると支配人の方もおっしゃっていたので、ジビエの季節のうちに必ずまた訪ねようと思いました。

今回は、12,650円のランチコースに4,400円の特別料理分の追加、飲み物を2杯、ミネラルウォーターをお願いして、22,000円ちょっとでした。

ランチコース全体のメニュー

半熟卵と牛蒡のピュレ、細長いトースト添え

コースの最初は、半熟卵と牛蒡のピュレ、細長いトースト添え。温まります!

オマール海老とキノコ、アメリケーヌソース

オマール海老とキノコ、アメリケーヌソース。シャンピニオントゥルネがちょこんと乗っているのが、正統派フランス料理だなあと思いました。

舌平目とアルベールソース

舌平目を長方形に畳んで、パン粉などを付けて表面に香ばしく火を入れて、アルベールソースとともに。フォンドボーとノワイリープラットのしっかりしたソースでした。

ジビエとフォアグラのピテビィエ(今回特別にお願いした料理)

ジビエ鴨、フォアグラ、鹿のピテビィエ、赤ワインソース。赤いビーツのピュレとじゃがいものピュレ添え。

これで2人分。カットする前に、焼きたてを持って来て見せてくださいました。パイ生地の焼き色が美味しそうです。

ワゴンデザート

デザートワゴン

目移りして、少しずつ全種類お願いしました。

もちろん、言うまでもなく、ピテビィエ以外の他のお料理も素晴らしいお味でした。

シェ・イノの内装は、アールデコ調のスタンドグラスの扉、植物の葉の様なシャンデリア、天井の装飾、優雅なカーテンなど、そこにいるだけで、グランメゾンとはこういう空間だと感じられるものです。ぜひ特別な日の大切な方との食事や、ビジネスの接待で訪れてみてください。忘れられない日になることは、間違いありません。

シェ・イノのダイニング。カーテン、白いテーブルクロス、大きなお花など、グランメゾンの風格。

ダイニングの天井にもアート。お料理を待っている間も、隅々まで堪能しないともったいないですね。

シェ・イノ