台湾総統選挙、誰に投票すべきかより誰がなるべきか?の議論

日大アメフト部の「一旦」の廃部が決定したようです。理事会の決定として尊重すべきでしょう。

私は廃部決定に一票です。理由はシンプル。大学は何をするところかという本質の問題とアメフト部問題があまりにも足を引っ張り過ぎました。まるで東芝問題と瓜二つ、そしてその東芝はもうすぐ上場廃止。一旦消えてゼロからやり直すのは決して悪くないアプローチです。伝統を再生し、よりよく生まれ変わる、そういう前向きな気持ちを学生さんも持ってもらいたいと思います。

では今週のつぶやきをお送りします。

掉尾の一振はあるのか?

今年も残すところ2週間。北米市場は24年中の利下げ期待ムードが一気に高まり、株価指数は高値を更新しています。1月中旬から発表される10-12月期の決算には不安感が残りますが、投資家目線で行けば「明けない夜はない、そしてトンネルの出口が見えてきた」だろうと思います。出口の向こうが雪国だったら困りますが、そこはセロトニン豊富な北米人です。市場に参加している私としても少なくとも年内は上げムードいっぱいのように思えます。

そして東京市場ですが、先週金曜日に一旦崩しかけたチャートが週明け早々に回復、高値水準で週末を迎えました。崩れかけた原因は為替で、円がドルに対して一日で3円、4円もの動きをすれば確かに投資家はビビります。

今年最後の波乱要因は来週に予定される日銀の政策決定会合で大規模緩和の見直しの歩を進めるのか、現状維持にするのか、であります。専門家はここにきて現状維持派が圧倒的になっています。ただ、一点、忘れてはならないのは安倍派が崩れたことで大規模緩和の呪縛から解かれた日銀のポジションを忘れてはいけません。

個人的には目先は株価上昇を見込んでいます。そして24年を目の前にして「テーマは何か?」を考える時期にあると思います。産業革命が経済の牽引となったように市場を煽るには社会を改善するような技術やノウハウが開花し派生効果が生まれる産業のリード役が必要です。生成AIと仰るかもしれませんが、それは私にはツールでしかありません。それを使って何か画期的なことが起きるのか、それを見定めることが大事でしょう。頭の体操ですね。

「♬辞めろと言われても…♬」by Fumio Kishida

辞めろと言われても、今では遅すぎた
激しい向かい風に 巻き込まれた最後さ
辞めろと言われても  一度決めた心
この身を引き裂くまで 首相にこがれてしがみつき

岸田内閣の支持率が一部で10%台に突入した報道を受け、西城秀樹の「激しい恋」(確か1974年頃)が頭をよぎりました。上の歌詞、1,2か所を除きほとんどオリジナルの歌詞のまま。岸田首相の心境そのものではないでしょうか?内閣を改造し、その女房役の官房長官は林芳正氏。報道によると何人か打診をしたけれど皆断られて麻生さんにも嫌がられる中、しょうがなくて林さんに懇願した、という裏話を聞く限り、「不人気なこの政権の片棒を誰も担ぎたくない」ということなのでしょう。

野党からは「辞めろコール」。しかし、冷静に考えてみると岸田さんが辞めて誰がなるのか、という方が超難問でしょう。東京地検の捜査はこれから本格化するわけで何が飛び出すかわかりません。戦々恐々としている政治家の方も多いのでしょう。私の見る2024年の政治と選挙は全く予想がつかない、そんな気がしてきています。解散もいよいよなさそうな気がします。とすれば国民には政治不信を抱えるもやるせなさだけが残るということになりそうです。

台湾総統選挙、誰に投票すべきかより誰がなるべきか?の議論

数日前、銀座で台湾在住の方と4時間ぐらい話し込みました。その中で台湾総統選挙をどう見るか、と話を振ると彼は「国民党が勝ったほうが丸く収まる」と断言しました。もちろん、それはその方の考えで台湾世論を代表するものではありません。しかし、台湾選挙をめぐる話は外野と当事者の温度差が思った以上に高い点は特筆すべき状況にあるとみています。ところが、ここにきてバイデン氏はイスラエル/ハマス問題に時間を取られ、習近平氏は比較的おとなしく、日本も安倍派が体を成しておらず、保守派の声が盛り上がりません。

では選挙の最新状況は、と言えば、国民党の侯友宜氏が与党、民進党の頼清徳氏を猛烈に追い上げる構図になっています。差は4-5ポイント以内です。理由の1つには鴻海の郭台銘氏が選挙から降りたことでその票が国民党側に多く流れた点が指摘されています。

台湾民衆党の柯文哲氏は若い層からの支持が多いされるも現時点で20%に届かず、30%代前半支持率の上位2名とは差があり過ぎるため、個人的にはどこかで降りる気がしています。想像ですが、柯文哲氏には中国からのプレッシャーが相当あるはずで、年内にも決断するのではないか、という気がします。

台湾の人は戦争はご免、という思想が圧倒的です。また鴻海をはじめ、多くの台湾企業は「世渡り的」に中国とのビジネスをバランスよく維持しており、それが台湾の生命線であることも分かっています。物理的に考えて中国本土と小さな島国の台湾との力量の差はいくらアメリカが支援すると言えども対立軸となる橋頭保的思想よりもショックアブゾーバーという柔軟体制の方が得策との考え方も出来なくはありません。

日本にとっても外交どころではない国内政治の状況を考えれば外野からみてもここは静観なのかな、と思います。そして最後は台湾の人が決めること、というボトムラインは尊重すべきでしょう。

GoranQ/iStock

後記
今日のフライトでバンクーバーに戻りますが、1週間ちょうどの滞在でやらねばならぬことを圧縮してどうにかこなしたというのが実感。普段でもだいたい5時半には起きるのですが、今回はそれより1時間早めて4時半とか早い日では早朝3時ぐらいからせっせと作業をしていました。よくカラダが持つねぇ、と言われば「そのために運動しています」と言い返し、睡眠は、と言われれば「睡眠の質は長さx深さの面積よ」と自分に言い聞かせ、鞭を打っております。

今回の訪日で今年の主要イベントはほぼ終わり。来週から毎年恒例のクリスマス正月返上の決算シーズンが本格化します。ヒマにさせてもらえません。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月16日の記事より転載させていただきました。