自動車よりもむしろ危険を感じることが多い自転車

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自転車の交通違反の取り締まりにも、反則金制度が導入されることになりそうです。

反則金制度とは、一定の期間に反則金を納付すれば、刑事罰が科されない仕組みです。自動車や原付はこの制度が導入されていますが、自転車はこれまで対象外でした。

制度が変更される背景には、自転車の交通違反の取り締まり件数が激増していることが挙げられます。反則金制度によって、効果的な取り締まりができるようになり、自転車の交通違反の抑止効果が期待できます。

最近、街中を歩いていても、自動車による危険を感じる事はほとんどありません。車道と歩道は分離されており、歩行者優先の意識が徹底されているからです。乱暴な運転をするドライバーも少なくなりました。

それに対し、自転車は歩道も車道も自由に乗り回ることができます。歩道を歩いていて、猛スピードで後ろから自転車が走ってきて、ヒヤッとした事は1回だけではありません。

特にファットバイク(写真はネットから)と呼ばれる太いタイヤで高速で走ることができる大型の自転車が歩道を猛スピードで走ってくると、命の危険を感じると言っても大げさではありません。

自動車の場合、接触事故を起こせば、すぐに警察沙汰となり、大した事故でなくても大変なことをしてしまったと大騒ぎになります。

ところが、自転車の場合は接触したとしても、大きな怪我にでもつながらなければ、取り締まりもなくそのまま放置されてしまいます。

歩行者との接触の可能性が高いという意味では、自動車よりも自転車の方が事故の危険が高い乗り物ということができるのです。

取り締まり強化と言っても、対した交通量の無い交差点で、白バイがネズミ取りで待ち伏せるような、意味のない取り締まりはやめてほしいと思います。

しかし、乱暴な運転が野放しにされている自転車に関しては、事故防止のための意味のある取り締まりをして、自転車に乗る人たちの運転マナーの向上につなげて欲しいものです。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年12月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。