裁判所が玉城デニー知事をパブリックエネミー扱い
辺野古基地代執行訴訟の事案
「辺野古基地代執行訴訟」とメディアで呼ばれているものとは、沖縄県のアメリカ軍普天間基地の移設先になっている名護市辺野古沖の地盤の改良工事に関するものです。
沖縄防衛局が埋立地の用途及び設計の概要に係る変更の承認の申請をしたが、沖縄県が変更不承認処分をしたため、国がこの処分を取り消し、変更を承認すべきと是正勧告してもなお沖縄県が承認をしないことから、本件変更申請を承認すべきことを命ずる旨の裁判を求めた事案です。
地方自治法第245条の8第3項に基づいたものですが、法の建付け上は、今回の勝訴で直ちに代執行をするのではありません。同法同条の8項で代執行が初めて出てきます。
8 各大臣は、都道府県知事が第六項の裁判に従い同項の期限までに、なお、当該事項を行わないときは、当該都道府県知事に代わつて当該事項を行うことができる。この場合においては、各大臣は、あらかじめ当該都道府県知事に対し、当該事項を行う日時、場所及び方法を通知しなければならない。
NHKなど正確を期するメディアは「代執行に向けて起こした裁判」等と書いています。
福岡高裁判決文と変更申請不許可処分は違法とする最高裁判決
本件の前提として、沖縄県が本件変更申請を承認しないことは違法であるという最高裁判決が既に出ています。
最高裁判所第一小法廷令和5年9月4日 令和5(行ヒ)143地方自治法第251条の5に基づく違法な国の関与(是正の指示)の取消請求事件
本件の判決文等は、地裁の段階から沖縄県のHPに資料がUPされており、福岡高裁那覇支部の判決文も掲載されています。
なお、沖縄タイムスは21日に判決文全文をWEB記事上にUPしているようですが、有料記事になっています。正直、20日に県HPで公開されているないようにつきそのようにする必要性を感じません。
辺野古代執行訴訟の判決全文 https://t.co/5lslhCLA8x
— 沖縄タイムス (@theokinawatimes) December 21, 2023
福岡高裁「(玉城デニー知事は)法の支配・法治主義の理念を損ない社会公共の利益を害する」
本県で話題になっている「公益侵害要件」については以下判断しています。
…普天間飛行場の危険性が人の生命や身体に大きく関わるものであることに加え…このまま放置された場合には、本県埋立事業の進捗が更に遅延し、ひいては上記のとおり人の生命、身体に大きく関わる普天間飛行場の危険性の除去の実現がされず又は大幅に遅延することとなるものといえるから、なおこれを放置することは社会公共の利益を侵害するものに当たるものと認められる。
そして、沖縄県知事に対しては、かなり辛辣な文言が踊っています。
県知事たる被告が令和5年最高裁判決において法令違反との判断を受けた後もこれを放置していることは、それ自体社会公共の利益を害するものといわざるを得ない。
地方の行政機関である被告沖縄県知事が確定した令和5年最高裁判決を放置することは、地方自治法の定める諸制度を踏みにじるものであることはもとより、憲法が基本原理とする法の支配の理念や法治主義の理念を著しく損なうものであって、社会公共の利益を甚だしく害するものと言わざるを得ない。
ここまで裁判所がパブリックエネミー扱いする者は、果たして玉城デニー知事以外に居たでしょうか?凶悪事件の犯人とはまた別次元の悪質さが指摘されています。
編集部より:この記事は、Nathan(ねーさん)氏のブログ「事実を整える」 2023年12月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「事実を整える」をご覧ください。