日経新聞によると「環境省によると、再生エネ拡大の主軸となる太陽光の導入余地は農地が最も大きく、荒廃農地を含めて原発2400基分の出力規模がある」とのことですが、計算があまりにおかしいと物議を醸しています。
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原発2400基分の出力と言いますが、世界で運転中の原子力発電所も430基程度ということですからなかなか思い切った数字です。
たしかに、日本語としてちょっと何言ってるか分からない言い回しになっています。
やっぱり環境省も悪いという指摘もあります。お役所はコストはまったく考えていないようです。
日経新聞のこの計算を訝しむ声も。ただの四則演算のはずですが……。
編集部もざっくり計算してみました。根拠は以下の数字を使ってみました。(ざっくりなので多少の暦年のずれはご容赦ください。大幅にまちがっていたらご指摘ください)
Q 原子力発電所(100万kW級)1基分をまかなうのにどれくらいの大きさが必要なの?
A 太陽光発電で原子力と同等の発電量を得るには、広大な面積が必要で、原子力発電所(100万kW級)1基分を代替するには、約58平方キロメートル(山手線の内側面積とほぼ同じ)の面積が必要となります。
(九州電力HPより)
全国の耕地面積(田畑計)は432万5,000haで、荒廃農地からの再生等による増加があったものの、耕地の荒廃、転用等による減少があったため、前年に比べ2万4,000ha(0.6%)減少した。
令和2年11月30日時点における令和2年の荒廃農地面積については、全国で約28.2万haとなりました。このうち、「再生利用が可能な荒廃農地」は約9.0万ha(農用地区域では約5.5万ha)、「再生利用が困難と見込まれる荒廃農地」は約19.2万ha(農用地区域では約8.1万ha)となりました。
太陽光発電に必要な面積 = 原発一基分の太陽光発電の面積約58km² × 2400基 = 139,200km²
農地と思われる土地 = 432.5万ha + 28.2万ha(荒廃地) = 460.7万ha = 46,070km²
139,200km² > 46,070km²
ちなみに日本の面積 = 378,000 km² (うち67%が森林部)
日本のどこに置くつもりなのでしょうか?編集部の計算間違いだといいのですが……。