悔いのない2023年でしたか?私はありません。

「一年の計は元旦にあり」といわれ、抱負を立て、目標を設定し、さぁ、やるぞ、と思っても成人の日がある1月半ばの三連休には既に過半数の人が目標から脱落している、というのが私のざっくりした感覚です。

ましてや1年を通じて計画通り、あるいは目指すゴールにおおむね達成したという方はごくわずか。その上、一人の人を取り巻く環境は社会人として業務目標から個人のこと、家族のことを含め、切り口は非常に多く、目標のどれかが達成しても全然ダメなものもあるわけで全体をバランスよく達成するには思った以上に困難であります。

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自己啓発で自分を押し上げようという場合はどうでしょうか? 自己啓発を英語に直すとself-enlightenmentが主流でself-developmentとは違うと私は考えています。

何が違うのか、これは学者が好む議論ですが、developmentは新たになにかを作ることに対してenlightenmentは個人が持つ埋もれている能力や才能を引き出し、磨きをかけるという意味に近くなります。つまり、自己啓発とは何か新しいことをやるというより自分が持つ能力を見直し、自分自身の質を高めることが大事なのです。

たとえば私は人生の成長を「木の幹」に例えます。もしも毎日会社業務で疲れたと言いながら月曜から金曜を惰性で過ごし、土日は疲れを癒すだけの生活をずっと続けていればこの人の木の幹は全然太くならないのです。つまり、年輪が育たないまま、年齢だけが増えていくのです。

そうではなく、日々の会社業務で疲れるなら、どうやったらそれが楽になるか、どうやったたら刺激的な生活が送れるのかを工夫をし、実行することで自己啓発されるのです。隙間時間の活用も重要です。なにも自分に無縁だったことを突然やるのではなく、自分の日々の生活を改善することから始めるのです。

お金がない、といつも呟いているとします。お金がないのは理由があるのです。入りと出のバランスが悪い、それに尽きます。改善するには入りを増やすか、出を減らす、これしかないのです。

「そんなの、出来ない!」と仰ると思います。嘆く前にひとつヒントです。自分で家計簿を1年間つけてみてください。そして毎月必ず、前月の成果をなめるように見るのです。12か月もやれば自分の傾向がよく見えて、「こんな無駄があった」「こうやったらもう少し、お金を増やせるかもしれない」と気づきが入ります。私はもう何十年もつけています。故に気がつき、改善するのです。その行為こそが自己啓発なのです。自己啓発セミナーに行くのが気づきではないのです。

さて、ひろの2023年は悔いがないのはなぜか、といえば私はストイックな性格もあるのですが、人生後半になった今、元気なうちに出来るだけのことをして常に自分の20年先を考えた人生設計を心がけているのです。

もしかすると病気になるかもしれない、足腰が動かず、行動も限定されるかもしれない、うまいものがうまいと思わなくなるかもしれない、ラーメンの大盛りが食べられなくなるかもしれない…などを考えながら今のうちにやりたいことを前倒しでやっておきたいのです。なので、私の日々は必然的に密度が高くなり、暇にさせてもらえません。

そこでどうしたか、といえば「選ぶ」のです。スケジュールは重なることが多く、取捨選択せざるを得ません。その基準は「最優先は新しい人と会う」です。普通は逆ですね。仲の良い方の誘いを優先しますが、私は出会いのチャンスは一度しかないと考えています。

おかげで今年は様々な方とお会いしました。名刺に連絡先が書いていないような凄い方とも会食しました。アメリカでの4日間のセミナーは超圧巻で縛られてムチにろうそく状態のような刺激を頂きました。今年は長年のプランだった教育について遂に踏み込んだ年となり、2度ほど大学で話をすることが出来ました。特にその1回は日本最高峰の一つの大学のクラスで1時間半の講義と質疑をさせて頂く機会を頂戴し、今年のというより、人生最高の経験となりました。

まだまだいくらでもあります。ですが、大事なのはそこではないのです。基本のライフ、ブログを書き、書を読み、運動をし、山に登り、自転車に乗るという行為を平年以上に行ったのです。私は読んだ本は全部記録がありますし、運動の記録もアプリに詳細に入っています。忙しいことにかまけるのではなく、忙しいからこそ自分の基礎となるライフへのコミットメントはいつも以上にやってきました。

何が楽しくてそこまでさせるのか、と聞かれたこともあります。答えは後悔のない人生です。この世に生きるチャンスを頂いた以上、それをどう使うかは個人の自由。私は最大限「使い倒したい」ということです。だから私は2023年に限らず、この世に生命を頂戴した時から悔いはありません。

2024年も自分の質を上げ続けていきたいと思っています。

読者の皆様、今年もお付き合い頂きありがとうございました。毎日コメント欄を全部読ませて頂き、そこから頂く刺激も私にはエキスになりました。いろいろな意見を交わすことで自分の考えに凝り固まらない良いおクスリとなりました。2024年が皆さまにとって素晴らしい年になりますように。

では今年はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年12月31日の記事より転載させていただきました。