ひろの2024年10大予想:住みやすい日本は老人天国、若者は「外に出よ」

元祖「びっくり予想」のバイロン ウィーン氏が23年に90歳でお亡くなりになり、年初の楽しみが一つ減ったと思うのは私を含め少数派かもしれません。ただ、同氏が金融などの予想を中心にしていたのに対して私はより広範な範囲で「水晶玉の奥に見える何か」を見つめてきました。(私は霊感能力者ではありません。笑)さすが自然災害の予想は出来ず、正月早々の能登の地震には心を痛めましたが、災害は最小限にとどまっている感があり、強靭化が進んでいると思います。

今回で12回目のひろの10大予想ですが、さてさて、どんな2024年になるのやら。では10大予想です。

bymuratdeniz/iStock

1. あなたは誰?人とヒトのやり取りが信じられなくなる時代に突入
生成AIが花盛りで各社特徴を持たせたAI機能が一般人の生活にも知らぬ間に浸透する。誰が書いた文章かわからず、誰が読み上げているニュースかもわからない。人間を相手にやり取りしているのか、機械なのか、疑心暗鬼と真の人間不信が起こる元年となる。人とヒトのコミュニケーションがより一層、重視されるようになるだろう。

2. 世界は戦争がお好き?
ウクライナの戦争は長期戦となったが一旦は終わるだろう。イスラエルとハマスの戦争はもっと早い時期に一旦終結となるが、極めて敏感な問題だけにかじ取りを誤れば中東は戦禍に見舞われる。一方、ウクライナ戦争がもたらしたことは欧米の国内世論の分断であろう。そして支援疲れが見えてくるとすれば戦争とは何か、を改めて考える年になるだろう。他にも戦争が危ぶまれている地域は多く、人々が抑制できるか、その忍耐力が試されようとしている。

3. 欧米の物価高は収まる、日本は周回遅れとなる
なぜ、物価高が起きたか、一言でいうならコロナという非日常事態による人間の行動規範が想定を超えたということに尽きる。人々は慌てふためき、より過剰な行動に出た。しかし物価高というお灸が座った欧米は治癒が進み、回復が近い。一方の日本は長年、企業が値上げを我慢し値上げ抑制したのがコトを複雑にした。結果として日本の物価高はいましばらく続くであろうが、むしろそれが殻を破るきっかけになるかもしれない。

4. 国内株式市場は上伸、欧米は高値追いの一年に
株価を支える理由は様々な要素の組み合わせだ。その中で投資家が「株が買いたい」と思わせる動機が必要なのだが、日本では新NISAに賃上げラッシュ、景気の前向きのサイクル、金融の正常化など忘れかけていた躍動感が戻る。23年の円ドル為替は過剰反応でその反動で24年は120円台までの円高になる。欧米の株式は利下げのニンジンがぶら下がり、買い意欲旺盛になろう。特に大統領選挙イヤーは株価は通常は上昇することも支えだ。

5. 日本の政治は壊滅的状況になる
岸田首相は辞めるにやめられず、解散はできず、9月の自民党総裁選まで走る。一方、自民党は分裂危機を抱え、その場合、維新など自民党に近い政党との連立を模索するなど政治的不安定時代に突入する。公明党は池田大作氏の死去がボディブローのように効き、苦戦を強いられる。国民の反応もさまざまで保守から改革まで個人の主義主張の色がバラバラになり、より色濃く出るだろう。リーダー無き混とんとする日本の政治になる。

6. アメリカの大統領選挙
アメリカの大統領選挙は更に波乱含みだ。共和党のトランプ氏は人気があるが、共和党の支持そのものが減退する。よってトランプ氏だけの報道をみていると全体を見失う。一方、民主党もバイデン氏では支持層が極めて限られる。かといって第三極の動きをアメリカが受け入れるとも思えない。ここはバイデンVSトランプというより我々が全く想定していない名前が浮かび上がるという予想を敢えてしてみたい。順風なら民主党が有利だが代替候補が全く思い浮かばない。共和党は戦略的にニッキーヘイリー氏を推すべきだろう。

7. 中国は行き詰まるか?
そんな質問があれば「行き詰まるわけない」と答える。だが、「習近平氏は窮地に陥るか」と言われればYESと答える。第3期目の習氏の指導力は明らかに落ちた。カリスマ性も落ちた。それは取り巻きがYESマンであり、思考停止状態にあることが原因だ。よって国内外の様々な難局を乗り越えるチカラが十分に発揮できず、中国政府への期待度は剥離する。ただ、中国人は逞しく、思想的には割とさばけている。何が起きてもただでは済まないのが中国人だ。政府や共産党と中国人は別々に考えるべきだろう。

8. 住みやすい日本は老人天国、若者は「外に出よ」
日本の人口バランスがあまりにも悪い。予想していた22年出生者数77万人はビンゴ。23年度は73万人を予想。死亡者数も増えていく中、毎年47都道府県の人口が1つずつ消えていくペースだ。真綿で首を絞められても生き耐える高齢者はともかく、若者にはあまりにも酷な条件が並びすぎる。明治維新の時のように若者は日本の将来を見つめ直すために外国の空気を吸い、世界の中のニッポンという位置づけを理解すべきだ。

9. 更に上昇する北米の不動産
私は過去20年、上がると言い続けた。そして多少の調整はあったものの嘘ではなかった。だから今年も同じことを言う。不動産は確実に上がる。理由は極めて簡単だ。需要と供給がアンバランスだからだ。許認可のハードルも厳しくなった上に建物のデザインも凝ったものとなれば住宅もアートの世界だ。その上、ようやく利下げに転じる中で2年間滞留していた新規購入者層や買い替え層がどっと市場に回帰する。これからは購入よりもリースなど新しい住宅取得の形態が生み出されるだろう。

10. 民主主義と独裁政権のぶつかり合い
世界を色分けすれば民主主義は少数派となった。なぜ、独裁政権が生き残れるのかといえば人々が考え、立ち上がり、権利を主張するのをあきらめ、フォロワーが楽だと考えるからだ。まるで安部公房の「箱男」の世界だ。人はそれほど強くない。そして大衆の圧力に屈しやすい。とすれば民主主義において立ち上がる者が称えられる社会を正としなければ我々は自由を失うだろう。何気ないことだが、意識することが大事だろう。

以上、いかがでしょうか?びっくり予想というよりより現実的な面が強く出た今年の10大予想ですが、基本は混とんとする社会であり、我々は霧の中でもがきながらも少しずつ解決策が見えてくる、そんな絵図を水晶玉の中に見て取っています。そんなもやもやした気持ちはパーッと晴らしたいですね。

では引き続きおとそ気分を楽しん頂ければと思います。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年1月2日の記事より転載させていただきました。