アメリカのブルームバーグによると、米国諜報機関は習近平国家主席が軍の近代化を図るために中国人民解放軍の汚職摘発に及んだ可能性があると分析をしているとのことです。
EXCLUSIVE: US intelligence indicates that Xi Jinping’s military purge came amid widespread corruption that undermined his efforts to modernize China's armed forces https://t.co/DSWYp6vEhD
— Bloomberg (@business) January 6, 2024
独占:米国諜報機関は、習近平の軍部粛清は中国軍の近代化への努力を損なう汚職の蔓延の中で行われたことを示唆している
昨年に断行された人民解放軍内の粛清で、軍内で蔓延している汚職の存在が指摘されていましたが、ブルームバーグの記事内でそのことを示すエピソードが紹介されています。
汚職の影響により、核ミサイル戦力を管轄するロケット軍はミサイルに燃料ではなく、水が注入されており、核ミサイルを発射するための格納庫のとびらが機能しないなどの問題が指摘されています。
中国ロケット軍戦力に疑義 ミサイルへ水、汚職背景か https://t.co/PhrPTOooqR
ミサイルに燃料ではなく水を注入するなどの問題があり、習近平国家主席が数年内に大規模な軍事行動を検討する可能性は、以前よりも低くなったという。
— 産経ニュース (@Sankei_news) January 7, 2024
ブルームバーグの記事内では、人民解放軍内の汚職蔓延により、中国が近いうちに大規模軍事進攻を実施する可能性が下がると指摘する識者のコメントを引用しています。
The corruption inside China’s Rocket Force and throughout the nation’s defense industrial base is so extensive that US officials now believe Xi is less likely to contemplate major military action in the coming years
— Peter Martin (@PeterMartin_PCM) January 6, 2024
中国ロケット軍内部と国の防衛産業基盤全体にわたる汚職はあまりにも広範囲にわたるため、米国当局者らは現在、習氏が今後数年間に大規模な軍事行動を検討する可能性は低いと考えている。
しかし、他の識者によれば、中国の真意など誰にも分からないとの意見もあります。
This is a gigantic inferential step and should be taken with a *huge* grain of salt.
The biggest reason why?
From @wstrobel: "“We have no real insight into leadership plans and intentions in China at all,” said a former senior intelligence official." 1/… https://t.co/v4s62haCJE
— Elbridge Colby (@ElbridgeColby) January 6, 2024
これは非常に推論的なステップであり、*大きな* 割り引いて受け止める必要があります。 最大の理由は何でしょうか?
より: 「「我々は中国の指導計画や意図についてまったく洞察を持っていない」と元情報高官は語った。 1/
核ミサイル部隊を管轄するロケット部隊は、仮に中国が台湾を侵攻するとなれば、最大の障壁となる米国の動きを止めるために重要な役割を果たします。
そのことを鑑みると、習氏によるロケット部隊ならびに人民解放軍全体における汚職摘発の強化は、軍事進攻の準備に政権が本腰を入れ始めたことを示す兆候だと推論することもできます。
この記事で取り上げられているBloombergの記事リンクを示しておきます。
中国軍の内部で汚職が蔓延している可能性は以前から指摘されていましたが、政権が戦備を強化する過程で監察が強化されたことにより表面化している印象があります。1/https://t.co/2oEFf56tAZ
1/ https://t.co/FMkritOC4V— 武内和人/Takeuchi Kazuto (@Kazuto_Takeuchi) January 7, 2024
習国家主席が新年挨拶で台湾統一を「歴史的必然」と言及し、それが中国の野心の増大を示すものだとして話題になっていましたが、実態はもっと複雑なようです。
Xiの新年挨拶、祖国統一は「歴史的必然」云々が話題ですが、
総統選前の敏感な台湾世論、対人民解放軍への強気姿勢、党内突き上げを回避したいロジックとか色々考慮した結果、これまでにも使ったことのある玉虫色な表現で決着したものであって、
「習は何も語らず」と意訳するのがいいんだろう、と。— 中川コージ/ Dr.NAKAGAWA (@kozijp) January 2, 2024
習近平が新年演説で「祖国統一は歴史の必然」と語ったことは、日本でも大きく報じられて、大半のメディアが「台湾併合への強い意思」と解釈しているが、実は、今の習政権と中国軍の内実からすれば、それに対する正反対の解釈もできる。詳細は下記の石平番組をご参照に。 https://t.co/X9gkCqZQJk
— 石平太郎 (@liyonyon) January 5, 2024
2024年も軍備増強を続ける中国から目を離せません。