日本がパレスチナとウクライナで取るべき立場

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新年にあたり、岸田内閣がウクライナやパレスチナについて、あまりにも米国べったりの外交しかしないことはまことに腹立たしい。

かつて小泉内閣は、のちにアメリカの愚行だったと批判されるイラク戦争について、ブッシュ大統領をあおり立てた。

さしあたって日米関係は良くなったが、長期的にみて日本がアメリカの良き友であることを示せたとは思わない。それと同じことをしている。

ウクライナについては、日本にとってウクライナに味方するメリットは何もない。欧米と違ってイスラエルの人々に贖罪等する必要ないし、そもそも、ユダヤ人への贖罪を自分たちでなくパレスチナの人々の払うコストでやるべきでない。

ロシアのウクライナ侵攻もハマスのテロも100%間違いだが、そもそも彼らを追い込んだのはアメリカでありイスラエルだから、自衛といってもほどほどのところで留めるべきだ。

岸田内閣の対米追従も行きすぎだが、日本ではリベラルな人々までもアメリカに追随しすぎである。

そして保守派は、例外はあるが、ウクライナ紛争やガザ紛争で、かなり熱心にウクライナやイスラエル、そしてその背後にいるアメリカを支持している。

日頃から、WGIP(War Guilt Information Program=日本人に戦争贖罪意識を植え込む戦略)から日本人は脱却できていないといって、世界から歴史修正主義といわれそうな主張をする人たちが、世界でもっとも無条件にアメリカに支援された戦争を支持しているのだからおかしなことだ。

それどころか、バイデン政権ですらイスラエルに厳しく自制を促しているのに、そうした必要も無いと言わんばかりだ。

私が思うに、世界はウクライナ戦争にうんざりしているし、イスラエルには相当に批判的だ。いまこそ、アメリカの日本に対する戦争中の悪行に少し反省を求めるチャンスでないかと思うのである。

アメリカは、ウクライナへの軍事侵攻とかハマスのテロとかは、けしからんから、ロシアやハマスはとことん殲滅されても仕方ないという。だが、これは、満州事変や真珠湾攻撃がけしからんから、日本に無理難題を要求したり、原爆を落としたり、ソ連の参戦を促したり、占領して憲法まで変えさせたのと重なるところがある。

そのあたりを、プレジデント・オンラインの記事にまとめたので、詳しくはそちらを読んで頂ければと思う。

「イスラエルの戦争」を煽るばかりで本当にいいのか…岸田首相が追従する「アメリカの論理」の問題点 アメリカの暴走を後押しした小泉外交の二の舞になる
ロシア・ウクライナ戦争に続き、イスラエル・ハマス戦争の被害が深刻化している。評論家の八幡和郎さんは「岸田政権は、ロシアやハマスを一方的に『悪』とするアメリカに無批判に追従している。しかしアメリカの『正義の戦争』がこれまでに多くの悲劇を生んできたことを忘れてはいけない」という――。

逆に韓国は、尹錫悦大統領が対日改善に取り組んでいるのに、日本の保守派は応援しない。それどころか、松川るい参院議員のように対韓関係改善に熱心な議員は保守派から批判されて、「エッフェル塔写真」を発端にしたフランス研修問題が彼らに針小棒大に攻撃されて炎上した。

対中国でも、やみくもに敵対しては互いに損をするだけだ。バブル崩壊後の日本経済を、輸出、安い消費財などの輸入による生活防衛、観光客によるインバウンド需要などで支えてきたのは中国との関係だ。

外交は押したり引いたりしながら進めるもので、無条件の追従も敵対も馬鹿げている。日米同盟が外交の主軸であるから、基本的には欧米との共同歩調はやむを得ないが、ウクライナやパレスチナについては積極的に平和のために仲介の労もとるべきだろう。