次の大地震で生き延びる「3つの備え」

黒坂岳央です。

筆者は間接的な被災を含めると3回の大地震を経験している。阪神淡路大震災、東日本大震災、そして熊本地震である。いずれも生き延びる事ができたが、「もしかしてここで人生は終わるのか?」と本気で命の危機を感じた。

さて、元旦に起きた痛ましい災害を分析する専門家から様々なデータが出された。すでに「水や食料を備蓄」「本棚などの落下防止」などは消防庁から出されているが、個人的に意識した方がよいと感じたものを取り上げたい。

尚、地震や災害の専門家ではないため、誤りが含まれるリスクを前提に読み進めていただきたい。すべて個人的に勝手に考えて勝手に備えている事項である。

metamorworks/iStock

1. 地盤

地盤が軟弱の地域は、地震の揺れが増幅されて被害が大きくなるといわれる。つまり、同じ強さの地震でも場所が変われば被害の大きさも変わるということだ。たとえば西新宿は大変強いという意見もあり、最も早く高層ビル群が広がった由来にこの強い地盤が関係している可能性はある。

日本に住んでいる限り、地震の数の程度の差はあっても「100%揺られない場所」はない。もちろん、地盤が弱い場所に住んでいる事実を否定的に見る意図はないが、新居を構えるなどの場合は地盤を考慮した場所に住んでも良いかもしれない。

2. 耐震補強

元旦の震災を受けて、次のような投稿が複数見られた。

震災を経験した建物は「前回の地震で耐えたからうちは大丈夫」と慢心してはいけないということだ。外観からは分からなくても、内部ではヒビが入ってしまうなどで弱くなってしまうからだ。実際、筆者が大阪に住んでいる時は阪神淡路大震災を経験後、自宅に目視確認できるレベルの大きな亀裂が発生した。

過去に震災を経験した家屋は耐震補強を検討する余地があるそうだ。もしくは大震災を古い賃貸物件に住んでいるなら、引っ越しもありかもしれない。

3. 資産保全

「有事の円買い」という言葉を聞かなくなって久しい。最後にこの話題が出たのは3.11で、実にそこから13年が経過している。新NISA開始でオルカンや米国株投資が加速することでさらなる円安圧力も加わった。仮に現在の水準の円安基調が継続するなら、持っておくべきは大量の現金貯金より国難レベルの震災リスクをヘッジする資産かもしれない。

海外株式や海外不動産も選択肢の一つだろうし、クリプトに詳しい人の中にはビットコインをコールドウォレット保管で、地盤が強いエリアの銀行貸金庫に預けるという備え方をする人もいる。

いずれにせよ、資産保全は地震に関係なく意識して損はないだろう。

地震のタイミング予想はほとんどの場合、無意味だ。3.11でも数々の「想定外」という言葉が聞かれたし、富山県は地震が少ない県の1つで2022年までの10年間で震度1以上の地震を観測した回数は全国で最も少ないといわれていた。つまり、明日いきなりやって来る前提で備えても「やり過ぎ」ではない。

次の震災を生き延びることができるか? それは備えをする、しないが運命の分かれ道になる可能性は誰にも否定できないだろう。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。