こんにちは。
新年早々、中国経済を金融危機が襲いました。今年の世界経済が波乱に満ちた展開となることを予感させる幕開けです。今日は中国投資信託業界で大手の一角を占めていた中植企業集団(投信子会社は中融)の破産申請について書こうと思います。
去年11月から予想されていた事態だったが
いずれはこうなることは、去年の11月に投資家を招いたミーティングで中植集団の財務担当重役が「当社は明らかな債務超過状態で投資家に約定どおりの元利支払いをする能力はない」と宣言したときからわかっていたことでした。
それにしても負債総額ではなく、債務超過額だけで日本円にすると5兆円に達するという大企業が「債務超過宣言」を出してから2ヵ月も経たないうちにあっさり破産申請に追いこまれたのは、やはりショッキングな事実です。
というのも中国の中央銀行である人民銀行は、去年の8月頃から急激に資産規模を拡大して、年末には巨額の流動性を金融市場に注入するなど、この事態を防ぐための手立ては取っていたからです。
上段からご覧ください。中期貸付制度という仕組みを使って巨額の流動性注入を始めたのが8月頃で、11~12月には1ヵ月で約1兆5000億元(日本円でほぼ30兆円)という凄まじいスケールに達していました。
下段を見ると、年末には90日間の累計で約3兆元、つまり1ヵ月1兆元ずつが3ヵ月連続した計算になっていたことがわかります。じつは、人民銀行は2015年末から2016年初めにも同じような巨額の流動性注入をやっていました。
そのときはなんとか金融危機の勃発を防ぎとめて、あまり話題にもならずに済んだのですが、今回はそれほど大規模な流動性注入でも間に合わなかったわけです。
たんに金融危機を未然に防げなかっただけではなく、金融業者から買い上げたり、担保に取ったりした資産で人民銀行の総資産もかなり膨れ上がっています。次の2段組グラフの上段にはっきり表れています。
こうして買い上げたり担保に取ったりした資産の中には、そうとう時価が下がっているものを額面や取得価格ベースで受け取ったものも混じっていて、人民銀行のバランスシートも大幅に傷んでいるはずです。
国民の暮らしにとってもっと深刻なのは、これだけ巨額の流動性を注入しても、金融危機を回避できなかっただけではなく、実体経済の景気を良くする効果も皆無に近かったことです。
下段は、中国経済で重要な役割を持つ9項目について、直近3ヵ月で上向きか下向きかの矢印をつけたグラフです。
一応、まん中の3項目、製造業景況感、小売業景況感、工業生産高は上向きとなっています。でも、肉眼では横ばいと見分けがつかない程度のわずかな上昇です。
対照的に下向きの6項目は、かなりはっきり月を追って悪くなっていることがわかる項目がほとんどです。とくに左から3番目の不動産業売上高と、右端から2つの不動産投資額、小売売上高は、前年同月比がマイナスである上にそのマイナス幅がじりじり広がっています。
とくに赤枠で囲った不動産業売上高が毎月前年同月比で7~8%縮小し、不動産投資はそれを上回る前年同月比9%前後で縮小していることは、不動産売上高がGDPに占めるシェアが世界でいちばん高い国だけに深刻に景気を低迷させる要因となっています。
中国では「基盤整備」がくせもの
もうひとつ要注意なのが、左から2番目の「基盤整備」という項目です。基盤整備とか基盤産業とか言うと、国民生活一般や経済活動を健全に保つためのインフラにまつわる公共事業を思い浮かべがちです。
中国でも外見だけならいわゆる公共事業をしているわけですが、実態としては大手国有企業などの既得権益団体に利権をばら撒く口実としてそれらしい事業をおこなっているというまったく似て非なるものになり果てています。
中植集団だけでなく、中国の投信事業全体が苦境にあえいでいる理由のひとつが、この効率的な経営による利益最大化などは少しも追求せずに、巨大なたかり屋集団と化している基盤産業が肥大化しすぎたところにあるのです。
まず、中国投資信託事業の預かり資産総額の推移と、大手10社の預かり資産規模から点検していきましょう。
じつは中国の投資信託市場は上段でおわかりいただけるように、2017年をピークに縮小過程に入っていました。その中で、今回破綻した中植の投信子会社である中融は下段にあるとおり首位の3分の1程度の預かり資産しかない9位、準大手というべきポジションにありました。
ただ、投信各社が手綱を締めにかかっていた2021~23年でも、アメリカで破産申請をした恒大(Evergrande)の仕掛り中物件を「火事場泥棒」価格で買ったつもりが全然売れず、結局損失になってしまうといった派手な失敗もしていたので、目立つ会社でした。
もともと中植集団は社名にも名乗っているとおりの植林事業を手掛ける地味な企業でした。しかし、この分野もまた既得権益集団として利権の恩恵が大きく、使途の決まっていない手元現預金を不動産開発業者に貸して大儲けをしてから、投信事業に本格進出したのです。
現在中国経済が陥っている苦境を招いた元凶として不動産業界をやり玉に挙げる方が多いのですが、じつは投信各社の投融資先内訳を見るかぎり、「基盤産業」のほうがはるかに比重が高かったことは、次の2段組グラフで明白です。
「基盤産業」というととても堅実な事業のように聞こえますが、実態が地方政府金融商品(Local Government Financial Vehicle、LGFV)であることは、下段のタイトルにはっきり書かれてしまっているとおりです。
LGFVとは何かと言えば、原価ゼロ、粗利100%の不動産業者への借地権販売でボロ儲けをした地方自治体が、柳の下の二匹目のドジョウを狙って、本来税収でおこなうべきインフラ整備事業などを民間からの出資を募って営利事業としてやろうとした仕組みのことです。
地味なインフラ整備ですから高利回りなど期待できるはずがないのですが、1年物で5~8%の利回りを「保証」したりして売りまくりました。「かりそめにも地方自治体がそんな詐欺商品を公然と売っていいのか」というのは、当然の疑問です。
ですが、中国の場合、中央政府、人民銀行、国有銀行、国有企業全体が利権分配システムとして構築されていて、その利権分配の口実にさまざまな事業をおこなっているのです。
LGFVの場合も、不動産開発事業が順調に伸びているうちは、投資家たちにうるさくせっつかれたら粗利100%でたんまり儲けていた借地権販売の利益の一部を損失補填に回したりしてあまり大問題にはならなかったのでしょう。
ですが、不動産開発自体が低迷して借地権販売もほとんどできなくなると、その手も効かなくなってあちこちで地方政府にとっても投信会社にとっても厄介な問題が噴出しているわけです。
個人投資家が引っかかってしまうのは仕方がないにしても、プロであるはずの投信各社がピークでは預かり資産の40%をこんな詐欺商品に振り向けてしまっていたのですから、いたるところで投資家に約定どおりの元利償還ができなくなったのは当然でしょう。
「社会融資」は中国経済のブラックホール
預金を集めて融資に振り向けることを正式に許された銀行以外にも、中国ではさまざまな企業や機関が融資をしています。その融資額と銀行業界全体がしている融資額を合計したものを「社会融資」と呼んでいます。
次の2段組グラフに出ているように、社会融資についても「総額いくら、その内訳は……」といった統計がもっともらしく掲載されたりします。ですが、これらは全部「現在までに分かっているかぎりでは」という但し書きの必要な数字です。
上段のグラフに出ている「実際にはこの10倍かもしれない」というシャドーバンクの融資総額は、たぶん大げさすぎるでしょう。ただなんらかの根拠があるシャドーバンク預かり資産総額の統計は存在しないので、絶対にありえないとは言えません。
こうしたルーズな金銭貸借関係の恩恵を受けて異常なほど増殖したのが中国の不動産業者数です。1998年の2万社強から2020年には10万社強に増えていました。22年間で約5倍増です。
中国の民間企業というと事業拡大資金ばかりか、日常の営業活動にも海外からの投融資に頼ることが多いのですが、上段にあるとおり不動産業界に限っては国内資本に依存している企業が多いのが特徴です。
むしろ、不動産業界が国内にある投融資のための原資をあまりにも多く吸収してしまうため、それ以外の業種では海外からの直接・間接の投融資に頼らざるを得なくなっているという側面もありそうです。
また、下段には総資産に占める債務比率が2008年の72%強を底に、2020年には81%弱にまで上昇したと描かれていますが、これはあくまでもシャドーバンクによる融資のうち資金の出所がわかっている分だけの数字です。
皮肉なことに、こうして大増殖した不動産企業の株価は2018年に早くもピークを打ち、3年後の2021年末には不動産物件価格もピークを打って、その後ともに大暴落に転じてしまいました。
どんなに制約の多い市場でも、競合業者の数が増えれば競争激化で利益率が下がり、赤字業者の数が増えるのは当たり前のことですが。
次のグラフをご覧いただくと、2023年は不動産業界最大の収益源であるマンションを中心とした開発・販売事業が底打ちどころか底這いにさえならず、さらに縮小を続けていたことがわかります。
これだけ市況が悪くなれば、不動産業界への投融資も縮小に転じます。むしろ2018年にはすでに不動産企業株価の天井打ちという警戒警報が出ていたので、遅きに失したと言ってもいいくらいです。
不動産業界も中国経済全体も資金難に
次の2枚組グラフの上段を見ると、これまで開発業者向けローンが前年同期比横ばいということはあっても、業界全体に対する融資額が前年同期比でマイナスになったことはなかったことが確認できます。
ところが、下段を見ると2023年第3四半期(7~9月)には、不動産全体への融資残高が前年同期比でマイナスに転じています。しかもその他不動産融資の残高は微増にとどまっているのに住宅ローン残高が減少に転じているのです。
これは都市戸籍を持った都市住民にとってほとんど唯一のそこそこ信頼性のある蓄財手段だったマンションを複数戸買って自分が住まない分を売ってキャピタルゲインを取るという行動様式自体が崩壊しはじめたことを意味します。
今回の投稿最後の部分で触れますが、農村部の住民や都会に何十年住んでいても戸籍を都市に移せないので政治・社会・経済的に不安定な身分の民工(農村戸籍のまま都市生活をしている人々)にとって、マンション購入はとうてい手の届かない高嶺の花です。
まったく同じ2023年第3四半期に、海外から中国への直接投融資総額もマイナスに転じました。海外からの新規投資分より、すでに投下されていた海外からの投融資を出資者が回収する金額のほうが多かったということです。
1四半期で1000億ドルを超える海外からの投融資もあった時期が続いたことを考えれば、わずか120億ドルのマイナスは些細なことという気もします。ですが、次の2つの文章はその衝撃の大きさを物語っています。
問題の核心は資金の入超から出超への転換を受けて、これまでも続いていた人材の出超が今後は格段に加速するだろうと予測する人が出てきたことです。それも、おそらく国内では最も恵まれた立場にあって、教育水準も所得も高い層の人たちの国外脱出です。
私はこれまで毎年のように巨額の経常黒字を出している中国が、その収益の大部分を米国短期債の買い替えで「運用」していて国内に持ち帰って国民に豊かな暮らしをさせることに使わないのは、持ち帰れば既得権益集団に食い潰されてしまうからだと考えていました。
その基本的な考え方は大筋で変わらないのですが、もうひとつの要因があることに気が付きました。
それは、コモディティ化した製品の量産が大半の製造業で企業が存立できる利益率を確保しようとすると、借入のギアリングを高めて低い粗利益率でも高い経常利益率にする以外の方法はなさそうだということです。
つまり、なんとか国内で確保できている投融資のための原資の大部分は薄利多売の製造業各社がそれでも生き延びるための債務ギアリングの向上で遣い果されているのだろうということです。
鄧小平がタネを蒔いた非効率な借金経営
非常に皮肉なことに、このあまりにも非効率なコモディティ化した製造業中心の経済成長路線が定着したのは、鄧小平が実権を握ってからのことでした。
毛沢東時代には人民公社・大躍進の号令をかけた1958~60年に投資がGDPの4割というような時代も発作的にありましたが、上段に示した通りだいたいにおいて投資はふつうの発展途上国と同程度のGDPシェアにとどまっていました。
ところが、鄧小平時代になるととにかく政敵を納得させる実績づくりのために、やれば即GDP成長に貢献する投資拡大を強引に推進するようになりました。しかも、先進諸国では利幅が取れないので衰退に任せるようになった成熟しきった分野の製造業です。
こういう分野で生き残るためには、借金の金利よりほんの少しでも営業利益率が高ければ借金を増やして経常利益率を高めるしかありません。そこで下段のようにふつうの民間企業の債務がとめどもなく膨張する経済ができ上げってしまったわけです。
民間企業の中でも金融業界は借金が資本のようなものですから別格ですが、中国の場合非金融企業債務の対GDP比率が異常に高くなっています。
上段で確認できるこのところ160%に定着した非金融部門企業債務の対GDP比率は、下段に眼を転ずると他の新興国とは隔絶した高さであるとともに、老衰が進んで今やギアリングを高める以外に利益率向上の手段を持ちあわせないユーロ圏よりもはるかに高いのです。
これだけ民間企業部門の融資需要が高ければ、国内にある投融資原資を使い果して海外からの投融資に頼り、高い配当や金利を払って万年金融所得勘定が大赤字になっているのも無理はないと思います。
中国株はほんとうに割安か?
そこで問題なのが、ここまで借金漬けになってしまった中国民間企業の将来になんらかの夢を描けるのかということです。私はその答えはもう株式市場が出していると思います。
上段でご覧のとおり、アメリカのGDP成長率に対するS&P500上昇率は240%近い伸び、つまり3.4倍になっているのに、中国のGDP成長率に対する香港ハンセン株価指数の上昇率はマイナス90%と惨憺たるものです。
中国のGDPと香港の株価を比較するのはフェアじゃないとお考えの方もいらっしゃるでしょう。でも、ハンセン指数は中国株の中では比較的消費者や金融市場に対する反応のいい銘柄を揃えているのです。
もっと生粋の中国株を集めたCSI300指数の中国GDP成長に対するパフォーマンスは短期間でハンセン指数より悲惨な実績となっています。
じつは世界経済の規模に対する自国GDPのシェアに比べて株価が低すぎるというのは、中国経済の宿痾とでも言うべき特徴なのです。次の2段組グラフをご覧ください。
中国のGDPが世界経済に占めるシェアは4~16%と、アメリカ以外にこんなに高いシェアを持続できている国はないと断言できる高水準です。ところが、たった1年だけ株式時価総額で世界の4%台に乗せたことがあるだけで、あとは一貫して0~3%台にとどまっています。
逆に日本のGDPは世界の2~8%にとどまっていますが、株式時価総額の世界シェアは第二次世界大戦後から1970年代初めのペナルティボックスに入れられていた時期を除けば、常にGDPシェアより高かったのです。
何が違うかと言えば、オリジナルでこれが欲しかったと言われるようなモノやサービスを産み出しつづける能力です。日本にはそれがあり、残念ながら中国にはそれがないのです。
もちろん、鄧小平の製造業落ち穂拾い路線や、習近平の「太陽光発電、EV、生成AIこそ未来を切り開く大革新だ。ここに知的資源も経営資源も集中せよ」といった大間違いな経済政策も大いに貢献していますが。
周回遅れのトップランナー、IPO市場を制す
このほとんど例外のない先見性の欠如は、今ごろになって中国がIPO市場での資金調達のトップに躍り出たことにも表れています。
一目瞭然、たんにトップどころかIPOによる資金調達額の世界シェアが50%近くにまで上がっています。ただ、経済で中国がトップになる分野があれば、それは確実にもう衰退しはじめている分野か、これから衰退する分野です。
IPO市場の場合、有望な上場企業候補を探せなくなってしまった私募債ファンドが「これから上場企業候補を探しますから、取りあえずこのカラ箱に資金を入れてください」という特別買収目的会社(SPAC)で市場を荒らしまくったので、閑古鳥も鳴かないほど廃れています。
下段の香港の場合、一国二制度の約束はほとんど破られてしまいましたが、この期に及んでIPO市場にカネを突っこむほど思考様式で「中国本土並み」化はしていません。
一方中国本土政府ご指導のもと、中国のIPO市場は今ごろになって大活況です。中国への「更地」からの対外直接投資のブームは2018年にピークを過ぎてしまったというのに、その頃は細々とやっていたIPOがらみの資金調達を、今ごろになって増やしているのです。
もっとも、最近のシェア拡大には、アメリカのIPO資金調達が激減して世界総額も目減りしているので、中国のシェアが自然に増えてしまったという要因もありますが。
とにかく、あまりにも長期にわたってつかみガネの利権経済に安住していると、明らかにそこに突っこんだらダメに決まっているというところに平然とカネを突っこむ悪癖ができるのは事実です。
損はまた後で国民から搾り取った利権でカバーできるということなのでしょう。
起死回生の道はあるのか?
そんな中国経済に起死回生の妙案はあるのでしょうか?
中国労働経済の第一人者が「農村出身で農村戸籍のまま都市に住んでいる<民工>と呼ばれる人たちに都市戸籍を与える改革で、消費は激増し、中国経済は高成長を取り戻せる」と主張して話題になっています。
結論を言えば、非の打ちどころのない正論です。中国は今、「有効需要を持つ人口」の激減に悩んでいます。農村部から都市部への人口移動によって、現在の中国は次のような人口構成になりました。
都市部の人口は農村部の人口の2倍を超えていますが、そのうちほぼ半分は農村戸籍しか持っていないので、何十年都市に住み続けていても政治・社会的には農村に住んでいて都市には出稼ぎに来ているだけという身分に据え置かれています。
彼らの大部分は安定した仕事に就くこともなかなかできず、マンションや自動車を買うような都市戸籍の持ち主なら当然できるようになったこともできない状態にいます。
農村戸籍の都市居住者同士が結婚して子どもが生まれても、その子は近所の公立小中学校には通えず、授業料は高くて教育の質は落ちる私塾に通わせるか、親元(子どもにとっては祖父母の家)に送ってそこで公立学校に通わせるかという不便な境遇です。
つまり、現在の中国で満足な都市生活を送るための有効需要を持っているのは、都市生活者9億2000万人全員ではなく、その半分の4億6000万人程度なのです。
農村戸籍の都市居住者に都市戸籍を与えれば、消費がものすごい勢いで活性化するのは確実です。ただ、この改革は国有企業系列とともに、2大既得権益集団を形成している都市戸籍を持つ都市居住者の既得権益を大幅に縮小します。
そうなったとき、彼らはおとなしく共産党一党独裁政治を支持しつづけてくれるでしょうか? まず無理だと思います。
というわけで、このきわめてまっとうな戸籍差別撤廃政策が日の目を見ることはないでしょう。
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編集部より:この記事は増田悦佐氏のブログ「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」2024年1月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「読みたいから書き、書きたいから調べるーー増田悦佐の珍事・奇書探訪」をご覧ください。